九州電力は16日、同社火力発電プラントの技術資料や関連する個人情報がWinnyネットワーク上に流出したと発表した。
九州電力社員の個人PCがウイルスに感染して、PCに保存していた情報がWinnyネットワーク上に流出した。13日に一般からの連絡を受け、九州電力で確認したところ、流出の事実が判明した。なお、このウイルスについての詳細は不明だが、九州電力によれば「Winnyネットワークを通じて感染するウイルスだ」という。
流出した情報は、試験要領書などの火力発電所に関する技術資料や、出張報告書および社内手続きの記入要領書など。このほか、これらの資料に記載されていた氏名や所属といった個人情報も流出した。流出したデータの容量は約124MBになる。
発電所関連の情報流出では、6月に三菱電機プラントエンジニアリングの社員が、8月にも非破壊検査の社員がウイルス感染により、それぞれWinnyネットワーク上に情報を流出してしまった事件が発生している。また、相次ぐ情報流出を重くみた原子力安全・保安院でも「WinnyがインストールされたPCでは、業務を行なわない」などの情報管理規則を定めていた。
九州電力では2005年1月に情報セキュリティ管理規程を制定し、全従業員に対して「許可なく情報を社外に持ち出さない」「許可なくPCを社外に持ち出さない」などの対策を実施していた。同社によれば「Winnyに限らず、情報流出の要因となりうることは禁じていた」という。
九州電力では今後、再発防止に取り組むほか、今回の社員についても具体的に処分を検討するとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www1.kyuden.co.jp/press_h050916-1/
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( 鷹木 創 )
2005/09/20 14:17
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