アジアにおけるホットスポットの設置数が潜在的に頭打ちにあるとの調査結果を英BroadGroupが発表した。中国、日本、韓国、台湾を含む地域でこの傾向が見られるとしており、Wi-Fiの魅力を過剰評価したことがその一因ではないかと推測している。
BroadGroupによれば、アジア地域全体におけるホットスポット設置数の増加率は、2004年下期には32%だったが、2005年上期には19%へと大幅に減少した。これに対して、それ以外の地域では2005年上期に設置数が49%増加している。なお、全ホットスポットのうち83.6%が中国、日本、韓国、台湾に設置されているという。
ホットスポットの設置数が増加している地域にはフィリピン、タイ、マレーシア、オーストラリアが含まれているが、これらの国々ではもともと設置数が非常に少なかったため、現在でも調査対象となった15カ国のうち8カ国では全体に500カ所以下のホットスポットしかない。このことからBroadGroupのPhilip Low氏は「ホットスポットの増加がアジアで起こっていると示唆する最近の市場調査は、実際の状況を読み誤っている」とコメントした。
アジアで増加率が頭打ちになっている国として韓国が挙げられている。韓国では非常に安価にホットスポットが利用できるにもかかわらず、加入者数目標の50%しか達成できていないという。こうした地域では通信料金の低廉化に加えて、WiMAXや3G携帯電話の台頭があり、Wi-Fiサービスプロバイダーの戦略が変化しつつある。Low氏は「当初の市場対象だった層がWi-Fiの魅力を過剰評価していたかもしれず、顧客のセグメント化の幅が広すぎたのかもしれない」と指摘している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.broad-group.com/press/pressdisplay.asp?ID=34
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・ アジア地域のホットスポットサービス料金が急激に値上がり~英調査(2005/02/01)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/09/28 15:18
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