Lunascape2、T-Time5.5、秘文AEシリーズが“2005年のソフトウェア”に

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Lunascape2、T-Time5.5、秘文AEシリーズが“2005年のソフトウェア”に

表彰式に出席したLunascape株式会社の近藤代表取締役（左）、T-Timeを開発した株式会社ボイジャーの萩野代表取締役社長（中央）、秘文AEシリーズの日立ソフトウェアエンジニアリングの露木執行役開発事業部長（右）

　過去1年間で広く利用・流通されるようになったソフトウェアを表彰する「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」の2005年受賞製品に、「Lunascape2」「T-Time5.5」「秘文AEシリーズ」が選ばれた。24日、都内で開催された情報処理推進機構（IPA）が主催する「IPA Forum 2005」で表彰式が行なわれた。

　17回目となった今年のソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤーでは「ソフトウェアを利用する」という観点から優れた製品を選出したという。対象分野は「産業・行政」「家庭・個人」「安心・安全」「システム・基盤」の4分野で、54企業69製品の応募があり、選定されたLunascape2とT-Time5.5は家庭・個人分野、秘文AEシリーズが安心・安全分野の製品に分類されている。

　Lunascape2の受賞理由は「国産ブラウザであること」やトヨタなどの企業と連携してオリジナルブラウザをOEM提供するなど「開発が柔軟」なこと。また、携帯ゲーム機や携帯電話などの携帯端末に画像ビューアが搭載されていることに着目し、電子書籍をJPEG形式で書き出す機能を搭載したというT-Time5.5に対しては「専用端末に依存せずに電子書籍の閲覧を可能にした」と評価した。秘文AEシリーズは「高度なセキュリティを実現しつつも使い勝手に優れている」などと評価された。

　表彰式には、Lunascape株式会社の近藤秀和代表取締役をはじめ、T-Timeを開発した株式会社ボイジャーの萩野正昭代表取締役社長、秘文AEシリーズを開発した日立ソフトウェアエンジニアリングの露木陽介執行役開発事業部長ら受賞者が出席した。

　21日に最新正式版の「Lunascape3.1」をリリースし、すでに1万件ほどダウンロードされているという近藤氏は「ブラウザ業界は、Internet Explorer（IE）だけでなくFirefoxやOperaなどライバルも多い。Lunascapeのような多機能ブラウザで日本の緻密な技術力を世界に証明したい」と意欲的。次期IEではLunascapeのようなタブブラウジング機能も実装される見込みだが、「市場の9割を占有するIEにタブブラウジング機能が実装されることで、タブブラウザの知名度が上がり、市場が活発になるのではないか」と、4年前からタブブラウザを開発してきたという自信をうかがわせる前向きなコメントを寄せた。


次期IEにタブブラウジング機能が実装されることを、「市場が活発になるのではないか」と“歓迎”する近藤氏	会場ではLunascapeのデモンストレーションも実施。奥のPCにはトヨタにOEM提供している「X-Browser」

　ボイジャーの萩野氏は「家庭・個人という分野は、通常は商品を売る市場であって悪く言えば“食い物”にしているところだ。そういうところで便利なソフトを地道に開発していることを評価していただいたのはうれしい」と喜ぶ。2005年4月にリリースしたT-Time5.5では携帯電話やPSP（プレイステーション・ポータブル）、デジタルカメラなどの液晶ディスプレイのサイズに応じたJPEG形式の電子書籍ファイルを書き出せる。「フォーマットにこだわって閲覧できる端末の選択肢を狭めるよりも、各端末の画像ビューアで読書できれば便利なのではないか」と発想を転換したことが開発のきっかけだという。


iPodやPSPでも読書できるようにディスプレイサイズに応じた電子書籍ファイルを書き出せる	PSPを使ったデモ


ボイジャーの萩野氏	こちらは日立ソフトウェアエンジニアリングの露木氏

　来賓代表として登壇した経済産業省の鍛冶克彦課長（商務情報政策局情報処理振興課）によれば「わが国のソフトウェア輸出入比は1対30」と輸入超過の状態。IPAの藤原武平太理事長は「本賞によってソフトウェア・プロダクト開発者の意欲が高められ、多くの良質なソフトウェアが供給されるようになれば」とコメントした。


経済産業省の鍛冶課長によれば「わが国のソフトウェア輸出入比は1対30」だという	「多くの良質なソフトウェアが供給されるようになれば」とIPAの藤原理事長

手前左から近藤氏、萩野氏、露木氏。奥左から鍛冶氏、藤原氏、選定委員長を務めた筑波大学の加藤和彦教授

【お詫びと訂正】
　記事初出時、日立ソフトウェアエンジニアリングの出席者を「小川健夫代表執行役社長兼取締役」と記載しておりましたが、実際には代理で「露木陽介執行役開発事業部長」が出席していたことが判明いたしましたので、お詫びして訂正いたします。

関連情報

■URL
　 IPA Forum 2005
　 http://www.go-event.info/ipaforum2005/
　ニュースリリース
　 http://www.ipa.go.jp/about/press/20051012.html
　 Lunascape
　 http://www.lunascape.jp/
　 T-Time
　 http://www.voyager.co.jp/T-Time/
　秘文シリーズ
　 http://hitachisoft.jp/hibun/

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・ IPA未踏ソフト認定事業の「スーパークリエータ」にLunascapeの近藤氏ら（2005/05/13）
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・ボイジャー、携帯などへの書き出しが可能な電子書籍ビューワー（2005/03/15）

（鷹木創）
2005/10/24 17:04

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