「ゲーム用の通貨、アイテム、経験値などは、主に数値データですから著作物ではありません。譲渡が著作権法に触れることはないと考えられています」。コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)が、同協会が運営するサイト「ASK ACCS」で、RMT(Real Money Trade)の取引について回答した。
これは、ASK ACCSに寄せられた「RMT行為は著作権侵害に当たらないのか」という内容の質問に対して回答したもの。冒頭の回答に加え、オンラインゲームで使用するバーチャル通貨やアイテムが、RMTによって現実の通貨で売買され、売買されたバーチャル通貨がゲーム内に入り込んだとしても、オンラインゲームのプログラム自体を改変することには繋がらないとし、「著作者人格権を直接侵害することにはならないと思われます」と説明している。
RMTは、ゲーム内のルールに従わなくとも現実世界の取引によってバーチャル通貨やアイテムを取得できることからゲームバランスを著しく損なうケースもある。そのため、規約でRMTを禁じているオンラインゲームは少なくない。ACCSでも回答の中で「体力回復用のアイテムをたくさん用意さえすれば、負け知らずになります。これでは対戦相手がしらけてしまいます」とRMTに対する苦言も呈した。
また、アイテムやバーチャル通貨を大量に集める自動収集用のロボットなどの不正ツールを用いて、バーチャル通貨などを販売しているケースがあると指摘。不正ツールによって「ゲームの面白さを壊してしまいます」とコメントしている。
MMORPGに代表されるオンラインゲームの特徴としては、プレイヤーの自由度が高いことが挙げられる。ゲーム業界では、RMTが自由度の高いオンラインゲームの人気上昇に繋がるとの意見もある。RMTの取引そのものは現在のところ著作権法には触れないものの、ACCSではRMTについて「課題は残っています」と回答した。
関連情報
■URL
ASK ACCS
http://www.askaccs.ne.jp/
■関連記事
・ EverQuest IIでRMT解禁へ~米Sony Online Entertainmentが6月下旬に(2005/04/21)
・ オンラインゲームでRMT禁止を明確化、FF XIに続き信長の野望も(2004/12/20)
( 鷹木 創 )
2005/11/09 15:41
- ページの先頭へ-
|