野村総合研究所(NRI)は、2010年までのブロードバンド市場7分野、放送市場6分野、セキュリティ市場4分野の市場規模予測結果を公表した。
ブロードバンド市場は、個人で利用するインターネット接続回線がADSLからFTTHへと緩やかに移行していくと予測。また、総務省の情報通信審議会で光ファイバとIPを利用した地上デジタル放送再送信が認められる方針が出されたことから、今後は映像配信サービスの普及がFTTHの普及を牽引していくとした。
これにより、個人向けFTTHサービスは2010年に加入世帯数が1,488万世帯に、市場規模は2005年度の2,113億円から6,483億円へと拡大すると予測している。また、個人向けIP電話サービスでは同番移行が可能なサービスが提供されており、ブロードバンド市場の普及に伴って、2010年には1,600万加入に達すると見込んでいる。
一方、ADSLは2005年度の5,566億円から、2010年度には4,234億円へと市場規模の縮小を予測。それ以外の分野ではCATVインターネットが1,837億円から1,745億円に、公衆無線LANが92億円から376億円に、ISPが7,113億円から7,353億円に、IP-VPNおよび広域イーサネットが5,364億円から7,640億円になると予測している。
放送市場では、地上デジタル放送の普及世帯数が2010年に3,512万世帯に、市場規模が1兆8,507億円になると予測する。また、ネット放送分野では現在の90億円から940億円へと10倍以上の伸びを見込んでいるほか、VOD分野に関しても90億円から620億円へと市場規模が拡大するとしている。
セキュリティ市場に関しては、個人情報保護対応は一過性の特需であると指摘。今後は堅調に市場が伸びるとし、情報漏洩対策ツールは2005年の320億円から2010年に472億円に、セキュリティサービスは1,100億円から1,370億円へ伸びるとしている。また、ウイルス対策分野では現在の599億円から1,008億円へと拡大を予測しているという。
なお、同社では携帯電話やeビジネス・ライフ、ハードウェア、プラットフォーム市場の各市場でも同様の市場分析および市場規模予測を行なっており、順次公表する予定だという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.nri.co.jp/news/2005/051207.html
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( 村松健至 )
2005/12/07 17:21
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