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2010年までに上り30Mbps級の次世代双方向ブロードバンドを9割の世帯に

総務省の研究会が最終報告書「次世代ブロードバンド構想2010」

 ブロードバンド基盤の全国整備に向けた課題や方策について2004年6月から検討を行なってきた総務省の「全国均衡のあるブロードバンド基盤の整備に関する研究会」が15日、最終報告書「次世代ブロードバンド構想2010─ディバイド・ゼロ・フロントランナー日本への道標─」をとりまとめた。

 報告書では、「フロントランナー」に相応しいインフラの条件として、1)デジタル・ディバイドの解消、2)情報発信に強い、より高度なブロードバンドの普及、3)利用の高度化、4)安全・安心なインフラ──という4点を指摘。これらを踏まえた国としての新たな数値目標として、1)2008年までに「ブロードバンド・ゼロ市町村」を、2010年までに「ブロードバンド・ゼロ地域」をそれぞれ解消すること、2)2010年までに、上り30Mbps級以上の「次世代双方向ブロードバンド(UIBN)」を90%以上の世帯で利用可能にすること──の2点を示した。

 上り30MbpsのUIBNによって実現されるアプリケーションとしては、ブログによる動画配信や個人制作映画のP2Pネットワークによるデータ交換、動物園などのリアルタイム動画配信、ネット参加型結婚式、高齢者見守りシステム、グリッドコンピューティングなどの例を挙げている。

 報告書によれば、デジタル・ディバイドを放置した場合の経済格差は時間とともに拡大するという。ブロードバンドの有無による町村部における経済格差は、2004年は1世帯あたり年間134万円だったのが、2010年には229万円になると試算している。これは、医療や福祉、教育分野における経費削減や産業分野の経済効果などブロードによるプラス面と、ダウンロード時間の長時間化や作業効率の低下などのマイナス面の経済効果を合わせた額だ。デジタル・ディバイドを放置すれば、マイナス面の経済効果だけで、76万円から138万円に拡大するとしている。

 このほか報告書では、デジタル・ディバイドの解消に必要となる費用も試算している。まず、2005年3月末時点でFTTHサービスの未提供地域においてアクセス網を全て整備する場合のコストは少なくとも、収容局から配線点までの整備費用として2兆5,170億円、配線点からユーザー宅までの引き込み費用として2,601億円、宅内装置費用として5,058億円かかるという。ADSLでは、収容局設備費用が一般局で33〜50億円、RT-BOX局で303〜404億円、宅内設備費用が231億円と試算している。

 総務省では最終報告書のとりまとめにあたり5月30日、研究会の報告書案を公表し、パブリックコメントを募集。39の企業、団体、個人から合計151件の意見が寄せられた。この中には、「UIBNに関して、なぜ上り帯域が30Mbpsを要するのか数字の根拠を明確にすべき」「離島等の整備については、各自治体単独での整備は困難。国が直接敷設するか国の支援が必要」「デジタル・ディバイド解消のために、固定電話のユニバーサルサービスと同様の制度をブロードバンドサービスにおいても創設することを検討すべき」「ディバイド解消に積極的に取り組む事業者に対し、『デジタル・ディバイド解消促進認定事業者』等、総務大臣が認定するような施策の実施を希望する」などの意見があった。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050715_8.html

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( 永沢 茂 )
2005/07/15 19:30

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