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CDGシステムの概念図
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ブラザー工業は12日、グリッドコンピューティングを応用したコンテンツ配信システム「CDGシステム」を開発したと発表した。
今回発表したCDGシステムは、ブラザー工業、独立行政法人産業技術総合研究所 グリッド研究センター、早稲田大学 村岡研究室、エクシングが共同で開発したシステム。複数のコンピュータリソースをネットワークで統合し、仮想スーパーコンピュータとして利用するグリッドコンピューティングを利用して、接続するPCやSTB、ネットワーク家電などのCPUやメモリ、ネットワークやコンテンツのキャッシュを共有してコンテンツ配信を行なう。
CDGシステムでは、各端末が配信コンテンツのキャッシュをアクセス頻度に応じて自律的に保存すると同時に、ネットワーク内の最も近い端末のキャッシュを選択してコンテンツを取得するため、配信サーバーが不要になる。また、システムに接続する端末が増加することで共有できるリソースが拡大できるため、ネットワーク容量の増強などを施さずにシステムの安定性を保てるとしている。
ブラザー工業では、CDGシステムにより既存のサーバークライアント方式での配信と比較して、多数のユーザーから一度に大容量コンテンツへのアクセス要求があった場合でも安定したコンテンツ配信が行なわれるほか、システム構築の初期投資や運用に関わるコストを削減できるとしている。
このほか、セキュリティ技術においては既存のDRMや、グリッドコンピューティングで利用されている電子認証システムのほかに、暗号化されたコンテンツを分割し、各端末内のキャッシュに一部データのみを保存するといった独自のセキュリティ技術を採用。既存システムより高レベルのセキュリティ環境下での配信が可能だという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.brother.co.jp/jp/news2005/cdg/n_cdg_ove.html
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( 大久保有規彦 )
2005/12/13 13:55
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