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金額ベースによるインターネット接続市場規模推計
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矢野経済研究所は、ブロードバンドを中心としたインターネット接続市場の2010年度までの金額ベースでの市場規模推移を予測した「2005年版 ブロードバンド関連市場の動向調査」を発表した。それによれば、2010年度末の市場規模は1兆8,000億円になるものの、成長率は年々鈍化する傾向にあり、2010年度にはほぼ横ばいになるという。
今回発表された調査は、主要通信キャリアおよびISP事業者20社を対象に2005年9月から11月にかけて実施されたもの。同社専門研究員による直接面接取材をベースに、電話やFAX、メールによるヒアリング取材、Webアンケートによる調査が行なわれた。
金額ベースで見た2005年度の国内インターネット接続市場規模は、前年度比106%の1兆5,000億円で、このうちブロードバンド接続市場の規模は同126%の1兆600億円と推測。回線別ではFTTHが同185%の2,400億円、DSLが同117%の6,200億円、CATVが同111%の2,000億円で、ナローバンドは同78%の4,500億円を見込んでいるという。
同社では「0AB~J」番号を利用したIP電話サービスの登場によってFTTHを中心にブロードバンドサービスの加入者は急速に伸びている一方で、金額ベースでの成長率は年々鈍化する傾向にあると指摘。その要因として、価格競争などによる顧客1人当たりの単価(ARPU)が減少傾向にある点、FTTHなどのブロードバンドサービスの新規加入者がナローバンドやADSLなどからの乗り換え層が多い点を挙げている。
2006年度のインターネット接続市場規模は前年度比105%の1兆5,700億円、ブロードバンド接続市場は同116%の1兆2,300億円と推測。また、DSL市場は2007年度に、CATVが2008年度末に金額ベースで縮小フェーズに入ると予測している。
その上で、2010年度のインターネット接続市場は前年度比101%の1兆8,000億円、ブロードバンド接続市場が同104%の1兆7,000億円と、成長率が横ばいになると予想する。回線別では、FTTHが同115%の1兆1,000億円、DSLが同84%の3,700億円、CATVが同96%の2,300億円で、ナローバンドが同71%の1,000億円。これらを踏まえ同社では、インターネット接続市場はすでに発展期から成熟期に入っている段階だとした。
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■URL
ニュースリリース
http://www.yano.co.jp/press/2005/051221.html
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2005/12/22 13:44
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