NTT東日本とNTT西日本は17日、ユニバーサルサービス基金制度における適格電気通信事業者の指定の申請を総務大臣に行なったと発表した。加入電話と公衆電話の維持のために高いコストが必要となる地域の回線について、基金からの交付金によりコストを補填するためのものだ。
今回の申請によって指定を受けた場合、基金からの交付金は2005年度以降を対象として算定されるが、NTT東西では今回、2003年度のデータに基づいた試算値を公表した。
これによれば、加入電話の基本料において、1回線あたりにかかる費用は収容局によって異なり、山間地や離島など加入密度が低い地域が高コスト地域となっている。最も高い局で月額40万5,305円(設備費用および営業費用の合計)に達し、全国平均の月額2,421円の167倍の水準になる。
総務省情報通信審議会の答申によれば、ユニバーサルサービス基金制度では、高コスト局のうち加入者回線数で見て上位4.9%の回線が属す局において、費用の一部を補填対象とすることが適当であるとしている。具体的には、1回線あたりの費用が全国平均の月額2,421円を上回る部分が補填対象だ。補填対象となる回線数は全国5,080万回線のうちの4.9%にあたる250万回線だが、収容局数では全国7,160局のうちの43%にあたる3,070局が対象となる。2003年度の試算値によれば、対象地域における1回線あたりの平均費用は月額6,222円だった。
同じく2003年度の試算値によれば、第一種公衆電話の市内通話は全都道府県で赤字になっており、1分10円の市内通話収入に対して19~59円の費用を要しているという。答申では、10円を超える赤字部分が補填対象になりえるとしている。
関連情報
■URL
NTT東日本のニュースリリース
http://www.ntt-east.co.jp/release/0601/060117.html
NTT西日本のニュースリリース
http://www.ntt-west.co.jp/news/0601/060117.html
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( 永沢 茂 )
2006/01/17 20:57
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