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ライブドア新経営陣が記者会見、株主らに謝罪

身売りや社名変更は「考えていない」と熊谷代表取締役

 「22万の株主のみなさま、取引先のみなさま、関係各社のみなさま、従業員ならびにご家族のみなさま、大変ご心配をおかけしまして申し訳ございませんでした」。24日、都内で行なわれた記者会見で熊谷史人代表取締役をはじめ、平松庚三執行役員社長らライブドアの新経営陣が謝罪した。



「捜査に関することはノーコメント」熊谷氏

新社長に就任した平松氏は、堀江氏ら幹部が逮捕された23日の深夜に内示を受けた
 新社長に就任した平松氏は、証券取引法違反の容疑で堀江貴文氏(当時社長)ら幹部が逮捕された23日の深夜に内示を受けたという。「時期が時期だけに、私にとってもライブドアの新しいチームにとっても、大変大きなチャレンジと認識している。失われた株主や顧客、パートナー、そして社会の信頼を1日も早く回復できるよう努力する」と語った。

 平松氏がライブドアグループに参画したのは2004年12月。「今回の問題は、2004年12月以前に起きたこと」とコメントし、報道されている違法な株式交換や株式分割、粉飾決算などの疑惑に関わりがないことを強調した。

 代表取締役に就任した熊谷氏は、自身の疑惑について「事件に関与していないことをキッパリ表明したいのは山々だが……」とした上で、「捜査に関することはノーコメント」と言葉を濁す。熊谷氏以外にも山崎徳之氏、羽田寛氏らの取締役がいるが、熊谷氏以外は非常勤の取締役であったため、ライブドアの代表取締役には熊谷氏が就任するほかなかったという。

 堀江氏は新経営陣の取締役に残る。熊谷氏は「(堀江氏の)担当弁護士を介在した話では、代表と社長については辞任する意向だと聞いた」と述べ、取締役として残留する形にした。ただし、有罪が確定した場合「(堀江氏をはじめ逮捕された4人を)取締役として迎える予定はない」(熊谷氏)という。また、堀江氏の右腕として疑惑に深く関与していた疑いのある宮内亮治氏(当時取締役)は、弁護士を通じて辞任届を提出しており、24日付で受理されている。

 なお、今回、執行役員として社長に就任した平松氏が、取締役に就任するには株主総会を開催する必要があった。熊谷氏は「ライブドア株式の売買が満足にできない現状では、株主を特定することも難しい」とし、執行役員のまま社長に就任することになった説明した。


身売り、社名変更は「考えていない」

身売り、社名変更は「考えていない」と熊谷氏
 「今までのライブドアは、堀江貴文がピッチャーで4番だった」と評する平松氏。堀江氏は代表取締役として経営に君臨しただけでなく、実際のオペレーションにも影響力を持っていたという。新しい経営陣では、オペレーションとコーポレートガバナンスを分割。平松氏は「経営実行委員会」の委員長を兼務し、9つの事業部によるオペレーションを統括する。一方、取締役会はコーポレートガバナンスを監視する役目を担う。

 とはいえ、具体的な経営プランは明らかにされていない。すでに家宅捜索以降、広告出稿のキャンセルも複数あった。従業員の一部にも動揺が出ているという。「まずは、現状を把握する」と平松氏は言う。「新しいチームで会社の成長を加速させていくのが私の任務。コンプライアンスとガバナンスを遵守して成長させる」。

 以前はコンプライアンスに「疑わしい部分もあった」と認める熊谷氏だが、「会社の身売りは考えていない。資金繰りも安定している」と強調する。社名についても「変更することは考えていない。一部には辞職する従業員もいるが、一方で『もう一度がんばろう』という社員もいる。ライブドアという社名で再び大きく成長できるよう努力する」と語った。


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( 鷹木 創 )
2006/01/24 22:57

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