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ホットスポットネットワークFONの発表に疑問符、米ISPが撤回を要求 |
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Google、Skype、Sequoia Capitalなどから出資を受けたことを発表したスペインのFONが、米ISPのSpeakeasyと提携関係にあるかのような発表を行なったことについて、Speakeasyはそれを完全否定する声明を発表した。両社の間に何らかの誤解があったのか、それともFONの勇み足だったのか詳細な原因は不明だが、一見順調な滑り出しに見えたFONが発足間もなくしてつまずいた格好だ。 FONは、一般の人々にホットスポットを設置してもらい、それを無料あるいは有料で共有することで世界的なホットスポットネットワークを構築しようとしている。その際、一般的にはホットスポットが利用するISPからの許可が必要となる。契約者以外の人がISPの帯域幅を利用することかたちになるためで、この点についてはFON自身も指摘していた。 その上でFONは5日付の公式ブログの発表において「今日、私はFONのために2つの有名なISPの支持を得られたことを発表できることをうれしく思う。米国ではSpeakeasyがFONを歓迎すると述べ、ヨーロッパではGlocalnetとFONが合意書にサインした」と述べている。また、ユーザーへの注意の中でも「米国のSpeakeasyのようにFONを許すいくつかのISPが存在することを知っているが、ISPがまだ許可していないかもしれないのでFONをインストールする前に確認するように」とも述べ、ここでもSpeakeasyを引き合いに出していた。 これについてSpeakeasyは6日、声明文を発表し、「複数の発表やインタビューの中で、FONは同社のワイヤレスサービスに関連してSpeakeasyと『合意』に達したと不正確に発表した。これは100パーセント間違っている。SpeakeasyとFONの間にはいかなる関係も、金銭的あるいはそのほかの形態の関係も存在していない」とコメントしている。 Speakeasyは2003年7月、加入者がホットスポットを近隣の人と共有できる「WiFi NetShare」と呼ばれるサービスを開始している。FONはこの発表に言及したのか、あるいは誤解した可能性があるのではないかとSpeakeasyは指摘する。 また、FONがなぜこのような発表を行なったがをうかがわせる背景として、Speakeasyは「2005年末頃に、FONを代表する幹部がSpeakeasyのCEOに連絡をとり、彼らの会社と一般的なビジネス慣行について10分間の電話をしたことは事実だ。その連絡によって、FONの幹部が米国を訪れた際にSpeakeasyとのミーティングをセッティングすることをお願いする可能性が示唆されていた。この短い電話による会話以外に連絡をとったことはない」とSpeakeasy側は説明している。 この件についてSpeakeasyは当初、FONに対して発言撤回を求める法的措置を検討していたが、その後両者が連絡をとった結果、「Speakeasyと彼らとの間にいかなる暗黙の同意も存在していない」ことで意見が一致。これ以上法的措置は執らないことにしたという。なお、この件に関してFONからコメントを得ることはできなかった。 FONが公式ブログで行なった発表を注意深く読むと、スウェーデンのGlocalnetとの間では合意書にサインしたと述べている一方、Speakeasyとの関係についてはそこまで踏み込んでいないことがわかる。また、FONが6日に発表した新たな報道発表の中ではGlocalnetからのコメントはあるものの、Speakeasyに関してはひと言も触れなかった。「FONは他のISPとの提携を近々発表する予定だ」とも述べている。 FONのビジネスモデルには、ホットスポットを設置してもらうためのユーザーコミュニティを構築するというハードル以上に重要なこととして、彼らが利用するバックボーンを提供するISPからの全面的な支持がどうしても必要になる。特にホットスポットの利用環境によってはバックボーンに大きな負担をかけることになり、ユーザー側にも十分な注意が必要となる。FONにとっては大多数のISPの支持をこれから得なければならない時にこのような事態が発生したことになり、今後のISP各社の動向に注目が集まりそうだ。 関連情報 ■URL FON（英文） http://en.fon.com/ Speakeasy（英文） http://www.speakeasy.net/ ■関連記事 ・ Google、SkypeなどがホットスポットネットワークのFONに出資（2006/02/06）
（ 青木大我 taiga@scientist.com ）
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