東京地方裁判所の男性書記官(40代)の自宅PCがウイルスに感染し、東京地裁で扱う民事執行に関わる149人分の個人情報が、P2Pソフト「Winny」ネットワーク上に流出していることがわかった。24日、最高裁判所と東京地裁が明らかにした。
最高裁と東京地裁によると、20日に内閣官房情報セキュリティセンター(NISC:National Information Security Center)からWinnyネットワーク上に情報が流出していると連絡があった。その後、最高裁と東京地裁では合同で調査を実施。1987年から2001年にかけての民事執行の決定文など約1,000ファイルが流出していることが判明した。流出したファイルには、不動産競売の申立人や配当を受けた人の氏名や住所などのほか、事件に関する書記官と裁判官のやりとりのメモが含まれていた。
なお、この書記官は、パスワードや暗号化などのセキュリティ対策は行なっていなかったという。流出した時期は不明だが、最高裁では「恐らく2005年中に流出したのではないか」と推測。詳細について調査を進めており、結果がわかり次第「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」に則って対処するという。
関連情報
■URL
最高裁判所
http://courtdomino2.courts.go.jp/home.nsf
東京地方裁判所
http://courtdomino2.courts.go.jp/K_home.nsf/CoverView/HP_C_Tokyo?OpenDocument
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( 鷹木 創 )
2006/02/24 17:54
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