筑波大学医学専門学群の学生が所有するPCがウイルスに感染し、P2Pソフト「Winny」ネットワーク上に臨床実習の患者情報が流出していたことがわかった。筑波大学が19日に発表した。
発表によると、この学生は臨床実習のレポートを作成するために患者情報を自分のPCに保存していた。2005年7月ごろにWinnyをダウンロード、10月ごろに音楽ファイルのダウンロードに伴いウイルスに感染したため、Winnyネットワーク上に患者情報を含む同PCの情報が流出したという。内閣官房情報セキュリティセンター(NISC:National Information Security Center)が発見し、文部科学省を通じて筑波大学に伝えられた。
流出したのは全部で41名分。うち16名分は匿名だったが、氏名が含まれる資料が20名分、イニシャルが含まれる資料が5名分あった。これら該当する患者に対しては、流出した経緯を説明するとともに謝罪を行なったとしている。
これまで筑波大では学生に対して、臨床実習にあたり守秘義務の徹底や患者情報の取り扱いは匿名とすることなどを指導してきた。「しかしながら、(流出した情報に)氏名が用いられたこと、患者情報が入ったPCを安易にインターネット接続したことなど、指導・監督体制が不十分だったことは否めない」。
今後は緊急対策として医学専門学群全学生を対象に、患者情報の保管状況やPCのセキュリティ対策などを中心とした点検を行なう。また、恒常的な対策として患者情報の取り扱いルールの再点検、情報の暗号化などのセキュリティ対策の強化、学生に対する教育の徹底など総合的な再発防止策を実施する。
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■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.tsukuba.ac.jp/koho/press/press060119.pdf
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( 鷹木 創 )
2006/01/20 14:35
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