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安全なサイトではSiteAdvisorツールバーが緑の表示に
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危険なサイトでは赤になる。バルーン内の「View site details」をクリックすると、SiteAdvisorが用意したそのサイトの概要説明ページ(最後の写真参照)が表示される
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Googleの検索結果やスポンサー広告部分のリンク先サイトに対しても、SiteAdvisorのレーティングが表示される
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従来のセキュリティ企業とは異なる方法で安全にインターネットを利用できる環境の実現を目指している米SiteAdvisorが1日、ブラウザ用プラグインソフトの無料トライアルバージョン配布を開始した。このサービスはすでに注目され始めており、セキュリティ業界に一石を投じる可能性を秘めている。
このプラグインをインストールすると、ブラウザのSiteAdvisorツールバーが危険なサイトでは赤、疑わしいサイトでは黄、安全なサイトでは緑に変わる。また、Google、Yahoo!、MSN Searchを利用した場合は、検索結果の横にそのサイトが安全かどうかを同じく色で知らせる。これにより、検索したサイトを見る前に危険性を把握できる。
SiteAdvisorのプラグインは、Internet Explorer(IE)版とFirefox版がある。IE版は、Windows XP/2000/Me/98(XPを推奨)のIE 5.5以上(6.0を推奨)に対応。Firefox版はWindows XP/2000/Me/98、Mac OS X、LinuxのFirefox 1.0.7/1.5(1.5を推奨)に対応している。
SiteAdvisorが公表したデータによると、同社のクローラーはWeb関連トラフィックの95%以上とほぼ同等のWebサイトを調べ、47万5,000以上のアドウェア、スパイウェア、ウイルスを解析。さらに130万以上のフォームにそれぞれ異なるメールアドレスを入力し、そのメールアドレスがスパムメールの送信に利用されていないかなども追跡したとしている。それに加えて、SiteAdvisorのプレビューテストに協力したボランティアとWebサイトのオーナーらによるデータも付加的に利用された。こうした膨大なデータの分析によってサイトの安全性を識別している。
SiteAdvisorの広報によると、同社の解析方法はほとんどの場合、言語に依存しないため、現時点でも日本語サイトの危険度を識別できるとしている。実際、SiteAdvisorのクローラーは英語サイトに限らず、ほとんどの言語のサイトをクロールしており、さまざまなソフトウェアをダウンロードして解析しているという。
例えば、SiteAdvisorプラグインをインストールした上で、Googleで「screensavers」を検索したところ、18サイトのうち10サイトは危険度が最も高い赤のレーティングだったという。SiteAdvisorが得た統計では、レーティングが赤のサイトはWeb関連の全トラフィックのうち5%以上を占め、黄は2%を占めているとしている。
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SiteAdvisorのレーティングデータベースは、ドメイン名で検索して参照可能。すでにインプレスのサイトもレーティングされていた
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SiteAdvisorは、既存のセキュリティ製品に問題があると考えたMIT出身のエンジニアによって創立された。彼らは既存のセキュリティ企業がウイルスなどの脅威にはうまく対処しているものの、ソーシャルエンジニアリング的な罠に対しては防ぐ手だてを持っていないことに疑問を感じていたという。
SiteAdvisorの共同創業者兼CEOのChris Dixon氏は「SiteAdvisorは平均的な消費者にとても役立つ。なぜなら、これはユーザーが危険なサイトと遭遇するその判断の瞬間に照準を合わせているからだ。我々は『私たちは前にここに来たことがあります。そしてこんなことが起こったんです』ということを彼らに伝えることができるのだ」と、このサービスの本質を説明している。
SiteAdvisorのプラグインソフトは現在、無料トライアルバージョンとして無料で配布されているが、将来的には有料バージョンも発表する予定だ。有料バージョンでは、赤のレーティングとされているサイトではクリックできないようにすることや、迷惑メール防止のための使い捨てメールアドレスの提供、フィッシング詐欺を即座に分析し見分けるためのサービスなどを提供する予定だ。
関連情報
■URL
SiteAdvisor(英文)
http://www.siteadvisor.com/preview/index.html
ニュースリリース(英文)
http://www.siteadvisor.com/press/releases/03_01_06.html
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