Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

IE 7 Beta 2が公開ベータテスト、一般利用者もダウンロード可能

セキュリティを強化し、タブブラウジングやRSSにも対応

Internet Explorer 7 Beta 2 Preview
 米Microsoftは1月31日、「Internet Explorer 7 Beta 2 Preview」の公開ベータテストを開始した。同社サイトからダウンロードできる。Windows XP SP2に対応する。

 Internet Explorer 7(IE 7)はこれまで、MSDNを通じて開発者に限定してBeta 1が提供されていた。今回、一般利用者も試すことができる次の段階に入ったことになる。IE 7 Beta 2 Previewでは、主に3つの分野でIE 6にはなかった機能を搭載している。セキュリティ機能の大幅な向上、毎日のインターネット利用を便利にする機能の追加、Web開発者向けの機能の追加という3つである。


サイトの危険性を色で示すセキュリティステータスバー導入

フィッシングサイトと判定されたサイトにアクセスすると、アドレスバー全体が赤色に変わる。アドレスバーの右側には、フィッシングサイトであることを警告する表示も出る。なお、ポップアップウィンドウでもこのようにアドレスバーが表示される
 セキュリティ分野では、まず大きな点としてデフォルトでActiveXが利用できないようになっている。ActiveXコントロールを利用するためにはユーザーが毎回許可する必要がある。これにより、ユーザーが知らない間に危険なActiveXコントロールがインストールされてしまうのを防ぐ。

 また、信号機のように赤・黄・緑に色が変わるセキュリティステータスバーを導入。アクセスしたサイトがフィッシングサイトと判定された場合にアドレスバーが赤色に、フィッシングサイトの疑いがある場合に黄色になる。新しく搭載されたフィッシングフィルターと相まって、ユーザーが危険性を察知できるようになっている。

 さらに、ポップアップウィンドウでは、アドレスバーが表示されないためにどのサイトが表示されているのかわからないことがあったが、IE 7 Beta 2ではすべてのウィンドウにアドレスバーを表示する。ここでも危険を察知しやすくなった。

 このほかにも閲覧履歴を一括消去できる機能、国際化ドメイン名(IDN)のスプーフィング対策、URLパース機能の再設計などのセキュリティ対策が施された。また、Windows Vista上で利用する場合には、他のアプリケーションとブラウザを隔離するプロテクトモードで動作させることも可能になったという。


タブブラウジング、RSSフィードの自動認識など利便性が向上

 利便性に関する新機能ては、まずブラウザのユーザーインターフェイスが大幅に簡略化され、その分Webページを表示できる面積が広がっている。その上、タブブラウジング機能が導入され、複数ページの同時閲覧も楽にできるようになった。

 また、RSSフィードを自動的に認識して、プレビューやお気に入りへの登録も可能だ。このお気に入り機能も、タブブラウジング、閲覧履歴、RSSフィードなど、搭載された新機能と連携して動作する。

 さらにツールバーサーチボックスを用意。デフォルトではMicrosoftの「MSN Search」に設定されているが、それ以外にGoogle、Yahoo!、Ask Jeevesなど他のサーチエンジンにも設定を変更できるようになった。


タブブラウジング機能を導入 タブで開いたページをサムネイルとして一覧表示することも可能

RSSフィードの登録画面 登録したRSSフィードを一覧表示。なお、IE開発チームのブログはデフォルトで登録されている

Ajaxアプリケーションの互換性向上、CSS関連バグの修正も

 Web開発者向けの機能としては、IE 6で確認されていたCSS関連のバグの修正に加え、CSS 2.1の機能のうちセレクタなどの機能を利用できるようになった。また、PNGフォーマットのアルファチャンネルをサポートしたため、より簡単に質の高いデザインを利用できるようになった。

 最近流行しているAjaxについても、これまでActiveXコントロールとしてXMLHTTPリクエストで扱われていたものを、JavaScriptのネイティブオブジェクトとして扱うようにになり、他のブラウザとのAjaxアプリケーションの互換性が向上した。また、IEを通してRSSを扱うための機能が提供されるようになり、他のアプリケーションでRSSを利用しやすくなっている。

 このほかにも企業で利用する際に必要なグループポリシー機能の改良や、企業内でカスタマイズしたIEを配布できるようにする「Internet Explorer Administration Kit」なども含まれている。


ベータ版のためインストールには注意が必要

 IE 7ではこのように、これまで利用できなかった多くの新機能を利用できるが、現在はあくまでもベータ版のプレビューという位置付けだ。Microsoftでは依然として多くの問題点が含まれているとして注意を促している。他のアプリケーションとの互換性を含め、インストールには十分な注意が必要だ。

 まず、これまでのクローズドベータテストですでにIE 7をインストールしている場合、上書きインストールができない。あらかじめ削除しておく必要がある。また、IE 7 Beta 2 Previewをインストールした状態では、Windows XPの復元インストールはできなくなる。復元したい場合には、あらかじめIE 7のすべてのバージョンを削除しておく必要があるという。

 さらにIE 7 Beta 2 Previewをインストールした後にMicrosoft Money 2005/2006をインストールする場合、再起動の後にエラーメッセージが表示される場合がある。あらかじめMicrosoft Moneyがインストールされている場合にこの問題は生じないという。

 不具合があるとはいえ、IE 7 Beta 2 Previewを利用して自分のサイトやWebアプリケーションをテストすることによって、生じうる問題をあらかじめ解決しておくことができる。Microsoft側もその際に生じたトラブルなどをぜひともフィードバックしてほしいと呼びかけている。特にIE 7のユーザーエージェントストリングとして「MSIE7.0」と表示されることから、多くのサイトで表示できなくなる問題が予想されており、そうした単純な問題への対処は重要になるだろう。


関連情報

URL
  ダウンロードサイト(英文)
  http://www.microsoft.com/windows/ie/ie7/default.mspx
  IE公式ブログでの発表(英文)
  http://blogs.msdn.com/ie/archive/2006/01/31/520812.aspx
  Internet Explorer Developer Center(英文)
  http://msdn.microsoft.com/ie/

関連記事
Microsoft、Windows VistaとIE 7の開発者向けベータ版公開(2005/07/28)
IE7のHTTPS接続、SSL 2.0からSSL 3.0/TLS 1.0へ~IEBlogで明らかに(2005/10/28)
IE 7にはブラウザの履歴を簡単に削除できる新機能(2006/01/13)
Internet Explorer 7のプレリリース版が2006年3月に公開(2005/12/07)


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/02/01 13:30

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.