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ID・パスワード管理についての啓蒙ページ
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オンラインゲームポータルサイト「Hangame(ハンゲーム)」を運営するNHN Japanは30日、同サイトの会員を狙ったフィッシング事件で未成年者が摘発されたことを受け、ID・パスワードの管理について注意を喚起する「クリーンコミュニティキャンペーン」を開始した。従来より掲載していた啓蒙ページに、フィッシングサイトに関する警告を追加した。また、啓蒙ページへのフローティングバナーをHangame内の各ページに掲示して告知の徹底を図る。
警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと池袋署が同日、Hangameを装ったサイトを開設してフィッシング行為をしたとして、名古屋市内に住む14歳の少年を、不正アクセス禁止法違反と著作権法違反の疑いで書類送検したことを受けてのもの。少年は、偽サイトで94人分のIDなどを不正に入手していた疑いが持たれている。NHN Japanから3月に被害届が提出され、捜査が進められていた。
NHN Japanによると、事件は2月から3月にかけて発生した。Hangameの運営スタッフを装って送信されたミニメール(Hangameのサイト内メール)を通じて、Hangameの「お問い合わせフォーム」を装ったフィッシングサイトに誘導し、会員のIDやパスワードを入力させていたという。さらに、この方法で入手したIDとパスワードを使ってHangameにアクセスして不正利用したり、パスワードを変更するなどの行為を繰り返していた。このほか一部報道によれば、パスワードを変更されてアクセスできなくなった正規の会員に対して、パスワードを返す代わりにわいせつ画像を送信するよう要求していたという。
Hangameのミニメールでは送信者のIDとアバターが表示される仕組みになっており、運営スタッフから送信される正規のミニメールでは、IDに「ハンゲーム」、アバターには「スタッフ背景」と呼ばれる運営スタッフのみが使用できるアバターパーツが表示される。しかし今回の事件では、システムの不備を突かれ、スタッフではない少年によってアバターが改竄された。ID表示は「ハンゲーム」ではなかったため、よく見れば偽のミニメールとわかるが、スタッフ背景が使われたアバターを見て運営スタッフからのミニメールだと思ってしまった会員も多くいた模様だ。
NHN Japanによれば、ミニメールを表示している段階でその会員はすでにHangameにログインしている状態になっている。従って、キャンペーンサイトに誘導するような正規のミニメールを運営スタッフから送信する場合は、改めてIDやパスワードを入力させるようなサイトに誘導することはないという。
また、警視庁の調べによると、運営スタッフを装った今回のミニメールには、会員がゲーム内で違反したとして「反省文を記載すれば罰則を免除する」と書かれており、誘導先のフィッシングサイトでも反省文を入力させていたという。この点についてもNHN Japanでは、ゲーム内の不正行為に対して警告するミニメールを運営スタッフから会員に送信することはあるが、何かの行為と引き替えに罰則を軽くするようなことはあり得ないと説明している。
なお、NHN Japanでは事件直後、運営スタッフのアバターパーツを不正に表示できる問題を修正した。
関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.nhncorp.jp/press/files/PRESS_20060530190035.pdf
啓蒙ページ
http://announce.hangame.co.jp/event/clean/clean_1.htm
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・ “反省文”の入力を求めるフィッシングサイト開設、14歳少年を書類送検(2006/05/30)
( 永沢 茂 )
2006/05/30 22:44
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