Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

著名企業等の名前を騙った偽装メールに注意、IPA/ISECがウイルス被害を警告


 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は2日、2006年5月のコンピュータウイルス不正アクセスの届出状況を公表した。5月のウイルス検出数は4月とほぼ同数の約178万個、不正アクセスの届出件数は13件となっている。

 IPA/ISECでは6月の呼びかけとして、有名企業等の名前を騙った偽装メールへの注意を喚起している。これは、5月に防衛庁や日本経済新聞社などの名前を騙り、特定の組織に対してウイルスを添付したメールが送りつけられる事例があったことを受けたもの。

 呼びかけでは、メールの差出人は容易に詐称が可能であり、差出人の名称だけを信用して不用意に添付ファイルを開かないよう警告している。対策としては、メールの添付ファイルについてはファイル名を確認し、拡張子が「.exe」となっているようなファイルは開かないことや、添付ファイルは必ずウイルス対策ソフトで検査することなどを推奨している。

 また、ウイルスファイルの中には、画像ファイルや文書ファイルであるかのようにアイコンを偽装している場合もあるため、ファイルのアイコンだけを見て信頼せずに、ファイルのプロパティを表示してファイルの種類を確認する方法なども紹介している。

 5月のウイルス検出数は約178万個で、4月の約179万個と同水準での推移となった。検出数のの内訳は、「W32/Netsky」が約138万個と全体の77.7%を占めており、その他のウイルスでは「W32/Mytob」(約24万個)、「W32/Mywife」(約5万個)などが多く検出されている。

 5月の不正アクセスの届出件数は13件で、そのうち実際に被害のあった件数は6件。内訳は、侵入が4件、DoS攻撃が1件、アドレス詐称が1件となっている。

 5月の相談件数は846件で、そのうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が210件を占めている。相談事例としては、アダルトサイトの画像をクリックしたところ勝手に入会登録させられ、メールで請求書が送られてきたり数分おきに画面に請求書が表示されたりするが、ウイルス対策ソフトでも何も検出されずに困っている、といったケースが紹介されている。

 IPA/ISECでは、こうした場合には請求書に書かれている「サイト名」「サービス名」「連絡先」などの情報が分かれば、ほとんどの場合は不正プログラムを特定・削除できるとして、ウイルス対策ソフトによる検出ができなかった場合でも、あきらめずにIPA/ISECに相談してほしいとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/06outline.html

関連記事
日経新聞社を装う偽メールが出回る、ウイルス感染も(2006/05/25)
額賀長官や航空自衛隊になりすますウイルスメールが大量送信(2006/05/19)
オンライン詐欺の脅威を議論「ワンクリ詐欺は明らかな犯罪行為」(2006/03/29)


( 三柳英樹 )
2006/06/02 18:05

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.