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タグや管理機能の強化を図った「Movable Type 3.3」日本語版


 シックス・アパートは、ブログツール「Movable Type」の最新バージョン「3.3」日本語版を6月27日に出荷すると発表した。タグ機能などの投稿機能、ログのRSS出力など管理機能などが強化された。


タグ機能など「投稿関連」、ログ機能など「管理関連」を強化

3.3新機能の概要
 Movable Typeは、サーバーにインストールして利用するブログツール。前バージョンの3.2は2005年9月29日に正式リリースされており、3.3はベータバージョン2が6月13日に公開されている。

 3.3では、企業向けの「Movable Type Enterprise」で実装された機能をベースとして、大きく「投稿関連」「管理関連」の機能が拡充された。投稿機能ではタグ機能をサポート、エントリーごと任意のタグを付与できるようになる。設定したタグの一覧はブログのサイドバーにタグクラウド形式で表示できる。

 文章を入力する編集エリアのサイズを変更する機能、データが保存されてない時にページを移動しようとすると警告を表示する機能なども搭載。これまでFTPなどを利用してあらかじめアップロードしておく必要があったエントリーのインポート機能も、Movable Typeから直接アップロードできるようになる。

 過去記事の未公開機能も改善が図られた。これまでは過去記事やカテゴリーを未公開にした場合もファイルそのものは削除されずに残っていたが、3.3では未公開に設定した記事やカテゴリーを再構築の際に削除することもできるようになった。


タグ機能を新たに搭載 複数のタグを設定できる

任意のIDとパスワードで初期アカウントが作成できるように
 管理機能の面では、ブログのすべての動作を記録するログ機能を搭載したほか、ログやエントリー、コメントなどをRSSで通知する機能をサポート。RSSはユーザーごと特定のURLを生成する。また、これまでサーバー側でCRONによるタスク実行設定が必要だった指定日投稿も、RSSを通知する際にタスクを実行することで擬似的なCRON設定が可能になるという。

 これまでのMovable Typeではインストール時にIDを「Melody」、パスワードを「Nelson」と入力して初期アカウントを設定する必要があったが、「初期設定からIDとパスワードを変更しないユーザーが存在する」との理由から、3.3からは任意のIDとパスワードで最初からアカウントを作成できるようになった。また、管理者が他ユーザーのパスワードを再設定する機能も実装されている。

 プラグイン見直しが図られ、これまで英語版だったデザイン用の「StyleCatcher」が日本語化されたほか、Googleの検索結果を保持できるテンプレートタグが追加された。なお、Googleのプラグインを利用するにはGoogleのライセンスキーが必要になる。


インポート用ファイルのアップロード機能 管理画面

日米共同開発でリリース速度が向上

平田大治技術担当執行役員

関信浩代表取締役
 今回の開発の背景として、シックス・アパートの平田大治技術担当執行役員は「コードの国際化」を指摘。Movable Type 3.3から日米の開発体制が共同になり、各国語対応の部分を国際コードとして取り込んでコードを一元化したことで「日本語版をリリースする際も、純粋に日本語表示にするという点に集中できる」と説明、「完全にゼロにできるかはチャレンジ次第だが、日米での出荷の差を大きく縮めることができる」と語った。

 シックス・アパートの関信浩代表取締役は、「元々は個人向けのツールだったMovable Typeも、日本では多くの企業に使われるようになっている」とコメント。「Movable Typeが業界標準的な地位を占めるようになり、多くのベンダーや書籍などの支援によって使いやすいツールになっている面もあるだろう」と分析した上で、「ユーザーが実際に試行錯誤して新しい使い方を考え、それが新機能や提案という形で反映されるなど、良い循環ができている」との考えを示した。

 そうした循環をさらに活性化させるための施策として、パートナーや開発向けの日本語による技術情報提供、日本語版のプラグインディレクトリなどの支援もシックス・アパートとして積極的に進めていく方針。「個人ホームページが企業ホームページやイントラネット、ECサイトという流れで展開していったように、ブログも企業ブログやイントラブログが登場しており、今後はECブログなどの可能性も考えられる」とした上で、「今後も時代に合わせた製品開発を進める」との方針を示した。

 なお、コードネーム「Project Comet」の名称で進められていたブログベースのプロジェクトは、現在米国で「Vox」という名称でのベータサービスが6月から始まっている。日本でのサービス開始について関氏は「今のところ決まっていないが、日米で共同開発を進めていのでそれほど時期がずれることはないだろう。日本でもベータ版サービスの提供はあり得る」と語った。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.sixapart.jp/press_releases/2006/06/13-1500.htm

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( 甲斐祐樹 )
2006/06/13 20:58

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