愛媛県警察の警部の私物PCがウイルスに感染し、捜査情報などがP2Pファイル共有ソフト「Winny」のネットワーク上に流出した件で、愛媛県警察は16日に調査結果をまとめた。被疑者・被害者の供述調書や前歴者の動向など、約6,200名分の氏名を含む警察情報が流出していたという。
2006年3月に情報流出を明らかにした愛媛県警は当初、流出した個人情報は約4,400人分としていたが、調査の結果、約6,200人分の氏名が含まれていることがわかった。流出したのは約3,500ファイルで、1984年頃から2003年末頃までの警察業務について、警部や他の県警職員が作成したものだった。なお、個人情報が含まれていたのは約2,300ファイルで、大半は事件関係のファイルだった。
流出したのは、1)自動車ナンバー自動読取照合装置(通称Nシステム)に関するもの、2)GPS発信器を利用して捜査対象者の位置検索を実施したことを示す報告書、3)捜査で使用するために運転免許写真の提供を依頼した文書、4)窃盗前歴者の動向や実態にかかわる情報、5)窃盗犯の取締りに関する検挙目標を記載した文書、6)「否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよ。(被疑者を弱らせる意味もある)」などと記述された取調べの要領、7)捜査協力者への謝礼交付に関するもの――など。
愛媛県警によれば、警部は2003年夏頃からWinnyを自宅のPCに導入し、映画や音楽などを収集するために使用していたという。その後、Winnyを通じてウイルスに感染し、2005年7月頃にファイルが流出した。
愛媛県警は2006年4月以降、内部規定により公務および自宅で使用するPCで、WinnyなどのP2Pファイル共有ソフトを導入することを禁止した。さらに6月16日、警部を停職3カ月の懲戒処分としたほか、警部の当時の上司を「本部長訓戒」とするなど、合計7名の関係者に処分を下した。
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■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.police.pref.ehime.jp/soumu/ryusyutu_chousa.pdf
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( 増田 覚 )
2006/06/19 14:00
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