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第1四半期の連結決算の概要
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KDDIは21日、2006年度第1四半期(4月~6月)の連結決算を発表した。売上高は7,984億円(前年同期比11.8%増)、営業利益は1,219億円(38.8%増)、経常利益は1,224億円(39.1%増)、当期純利益は756億円(43.8%増)だった。四半期決算の発表を開始した2003年度以来、第1四半期の決算としては売上高、利益ともに最高水準だという。
事業別に見ると、移動通信事業は売上高が6,398億円(前年同期比8.8%増)、営業利益が1,297億円(31.4%増)、経常利益が1,300億円(32.4%増)、当期純利益が779億円(35.1%増)。一方、固定通信事業は売上高が1,788億円(23.3%増)、営業損失が99億円、経常損失が97億円、当期純損失が41億円だった。移動通信事業の売上高が全体の4分の3を占め、大幅な増益も記録するなど引き続き好調だ。移動通信事業が固定通信事業の赤字を吸収するという構図は前四半期までと変わりない。
ただし、「メタルプラス」の拡販による音声売上の増加や、1月に吸収合併したパワードコム分の上積みもあり、「固定通信でも売上成長に転じている。メタルプラスも着実に回線が開通しており、採算も改善傾向にある」(小野寺正代表取締役社長兼会長)という。営業損失も前年同期の116億円から縮小している。
● 東京電力とのFTTH統合ブランド「ひかりone」は下期以降に販売本格化
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FTTH事業の計画
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固定通信事業の契約者数は、DIONが282万9,000件(うちADSLは155万5,000件)、FTTHが18万1,000件、メタルプラスが222万3,000件だった。
6月に発表した東京電力との統合ブランドサービス「ひかりone」については、「まだ販売網の準備・整備をしている段階。下期以降に本格的に販売していくことになる」(小野寺社長)とし、上期はまだメタルプラスを中心に販売するとした。
なお、KDDIではFTTH事業において、「ひかりone」に引き続き、2007年1月には東京電力のFTTH事業をKDDIに統合する計画だ。さらに2007年度以降は、FTTHの連携事業を関東以外の地域にも拡大する方針を示してている。
この点に関して小野寺社長は、「ほかの電力系通信事業者は、我々のことをよく見ている。東京電力との連携で、まず関東地域において我々がきっちりと販売し、うまくいったということが見えないと、ほかの電力系通信事業者に『ぜひ』という話はしにくい。したがって、今の時点では少なくとも、他の電力系通信事業者に私が直接お話をしていることはない」とコメントした。
● auで予測以上の利益、想定以上に解約率が低下したことも要因
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21日、決算について会見した小野寺正代表取締役社長兼会長
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小野寺社長は移動通信事業の好調について、「例年、第1四半期は年度末商戦の後で解約や端末の買い換えが一段落するため、費用面で落ち着く一方、売上では3月に獲得したお客様が貢献する。季節変動の面では比較的利益の出やすい四半期と言える」とした上で、「この四半期はいつも以上に市場の流動性も落ち着いていることから、より利益が出やすくなったと見ている」と説明した。
同社の想定以上に携帯電話の解約率や機種変更率が下がっていることも、予測以上にauで利益が出た要因だという。第1四半期の解約率は1.04%で、前年同期の1.26%から0.22ポイント減少している。ただし、今秋に携帯電話のナンバーポータビリティ(MNP)を控えていることもあり、MNPが始まると解約率は上がると見ており、通期では解約率を1.39%と予想している。
関連情報
■URL
KDDI投資家情報
http://www.kddi.com/corporate/ir/index.html
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( 永沢 茂 )
2006/07/21 19:14
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