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米Google、「MySpace.com」に検索エンジンとAdSenseを供給する大規模提携


 米Googleと、米News Corporationのインターネット部門であるFox Interactive Mediaは7日、GoogleがFox Interactive Media傘下の各種サービスに対して、サーチエンジンとキーワードターゲット広告を供給することで合意したと発表した。現在利用している米Yahoo!との契約を延長せず、契約締結から発表までわずか6時間という急転直下の巨大契約だった。

 Fox Interactive Mediaが運営するサービスには、世界最大のソーシャルネットワークサイトの「MySpace.com」も含まれている。MySpace.comは訪問者数ベースでYahoo!やGoogleをも抜き去る第1位のサイトであるとの調査結果も報告されている。この提携は両社にとっても、そして米国のインターネット市場にとっても非常に大きな意味を持つ。


 GoogleはMySpace.comに対してWebサーチ、バーティカルサーチ、サイト内検索の3つの検索機能を提供する。具体的にはMySpace.comの「Groups」や友達を検索する「Friends」に検索フォームを設ける予定があるという。同時に、Fox Interactive MediaのサービスにAdSenseによるテキストのキーワードターゲット広告を供給する唯一のプロバイダーとなる。さらにGoogleは、Fox Interactive Mediaの各種サービスに表示されるサードパーティによる広告に対する優先的拒否権を持つことになった。

 GoogleのサービスがFox Interactive Mediaに登場するのは2006年第4四半期初め頃の予定だ。契約によれば、Fox側が一定のトラフィックを確保することと、その他の要求を満たすことを条件に、GoogleがAdSenseや検索から得た収入のFox側取り分として最低9億ドルを現金で支払うことになっている。この支払いは2007年第1四半期に始まり2010年第2四半期に終わることになっている。

 この契約金額が妥当であるかについては議論がある。しかしFox側は、同社が満たすべきトラフィックの要求はこれまでのデータから見て十分達成することのできる妥当な数字であると説明。両社の取り分の内訳など詳細を明かすことは両社ともに拒否したが、両社はこれが業界では標準的な契約であり、十分満足できる契約であるとした。

 両社がこの契約に満足している背景には、両社が保有しているトラフィックに関するデータがある。まず、MySpace.comの利用者データを分析した結果、MySpace.comに滞在したユーザーが次に訪問するサイトで最も多かったのはGoogleだった。ユーザーがGoogleを好んでいることは、ユーザー重視の戦略を採り続けているMySpace.comがGoogleと提携する最も大きな理由となる。それ以上に、それは膨大なトラフィックから利益を上げる有力な方法でもあった。

 また、Google側もNews Corporation傘下のサイトからGoogleに辿り着くユーザーの数が非常に多いことを、トラフィックを解析してモデルを立案・分析することによって随分前から認識していたという。そのため予測されるトラフィックから得られる利益を事前に算出することができており、納得のいく契約に結び付いたとしている。

 こうした背景により、1年前ほどから両社は話し合いの場を何度も持ち続けていた。その間、MySpace.comではYahoo!の検索技術を採用し、一部ではMySpace.com独自の検索技術を使用していたという。それが1週間前になってからFoxとGoogleのマネージャークラスによる会議が何度も持たれるようになり、この契約締結が発表されるわずか6時間前に最終的な合意に至った。


MySpace.com専用ツールバーを計画、コンテンツ配信は今後検討

 契約締結についてNews CorporationのPeter Chernin社長兼COOは「これは前途について考え続けているメディア企業の歴史上エキサイティングな時であり、Googleとともに歩み出す最初の一歩となる。我々は今後たくさんの新しい分野で関係を深めることを楽しみにしている」とコメントしている。GoogleのOmid Kordestani上級副社長も「我々はNews Corporationのコミュニティのために他の分野でも提携することを楽しみにしている」と同様の主旨のコメントを行ない、両社ともにさらなる提携を視野に入れていることを示唆している。具体的なコメントは少ないが、これは提携があまりにも急に行なわれたことと無縁ではない。

 しかし両社がすでに視野に入れていることが明らかになったサービスもある。例えばChernin社長兼COOは、MySpace.com専用ツールバーの計画があることを明らかにした。このツールバーではMySpace.comの各種サービスにすぐにアクセスできるようにしてあるだけでなく、Googleのサーチエンジンと統合して検索できるようにすることが検討されているという。

 また、Googleは同日、AdSenseネットワークを通してMTV Networksのビデオクリップを配信することを発表しているが、News Corporationが持つ膨大なコンテンツの配信についても実現のめどについては何一つないものの、今後両社の間で話し合いが持たれることは明らかにしている。

 MySpace.comは米国のサイトであり、日本のユーザーにとってはなじみが薄いと言えるだろう。実際MySpace.comの利用者の90%は米国からで、それ以外の国からのトラフィックはわずか10%だという。しかし同社では英国、オーストラリア向けのサービスを間もなく開始するほか、さらに3カ月以内には3カ国、1年以内にはさらに12カ国を対象にサービスを始める予定があることを明らかにしており、グローバルに進出していくことを明言している。


関連情報

URL
  Googleのニュースリリース(英文)
  http://www.google.com/press/pressrel/ir_20060807.html
  News Corporationによるニュースリリース(英文)
  http://www.newscorp.com/news/news_309.html

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/08/08 12:56

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