16日に確認された「一太郎」の脆弱性を悪用したウイルスメールが、ある中央省庁を狙って送信されていた模様だ。
内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)によれば、「小泉首相の靖国神社参拝速報」と題する文書を添付したウイルスメールが、1省庁の職員宛てに送り付けられていたことを16日頃に確認。添付ファイルは「一太郎」で作成されたもので、感染すると不正プログラムをインストールするトロイの木馬ドロッパーが仕込まれていたという。
メールには実在する企業のドメインが用いられていたが、メールの送信元については現在調査中としている。NISCでは、このトロイの木馬による被害は発生していないとしている。
なお、シマンテックは16日、「一太郎」に存在する未知の脆弱性を悪用するトロイの木馬「Trojan.Tarodrop」を警告している。このTrojan.Tarodropは、NISCが確認したトロイの木馬ドロッパーと同一のものであると見られる。
Trojan.Tarodropは、「一太郎」に存在するUnicodeスタックバッファオーバーフローの脆弱性を悪用する。起動されると別のトロイの木馬「Infostealer.Papi」を実行し、PC内のデータを外部に送信しようとする。
「一太郎」は、中央省庁で多く利用されていると言われる。また、最近では「Word」などのOffice製品へのゼロデイ攻撃が多く報告されていることから、ユーザーも警告しており、逆に警戒されにくい「一太郎」の未知の脆弱性を突いたことも考えられる。
関連情報
■URL
内閣官房情報セキュリティセンター
http://www.nisc.go.jp/
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( 増田 覚 )
2006/08/21 17:51
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