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アッカ、ウィルコム、MS、M2M市場拡大に向けたコンソーシアムを設立


M2Mコンソーシアムの設立で新たな市場開発などを目指す
 アッカ・ネットワークス、ウィルコム、マイクロソフトの3社は、M2M(Machine to Machine)の技術推進と市場開発を目的に「M2Mコンソーシアム」を6日付けで設立したと発表した。

 M2Mコンソーシアムは、機械同士をネットワークで接続するM2M分野における新たな付加価値を創造するサービスや新市場の開発促進を目的に、3社が発起人になって設立したもの。9月6日現在の参加予定企業および団体は、NECアクセステクニカやオムロン、カシオ計算機、日立製作所などで、発起人企業を含めた21社でスタートする。

 コンソーシアムでは参加企業間の情報交換をはじめ、M2Mで必要なネットワークやOSなどの技術提供、展示会やセミナーを通じたユーザーへのM2M利活用を提案していく。加えて、M2M基盤技術、製造業、流通業の合計3分野におけるワーキンググループを立ち上げるとともに、今後は医療・福祉や防災、セキュリティ各分野でのワーキンググループも追加する考えだという。

 M2M市場の規模については、自販機や事務機器、医療関連機器、空調設備・機器など国内の年間新規需要台数で約1,000万台と推測。さらに、すで出荷されている機器も含めて、潜在的な市場掘り起こしも進めていく。

 その上でコンソーシアムでは、ワーキンググループでの活動や実証実験を進め、1年後を目標に製造および流通業における事例発表を目指すとしている。


M2Mを必要とする社会的背景 M2Mコンソーシアムの組織体制

コンソーシアムを通じた迅速なソリューション展開や新市場開拓を目指す

(左から)マイクロソフトの眞柄氏、アッカの湯崎氏、ウィルコムの瀧澤氏
 M2Mコンソーシアム設立に合わせて開催された発表会で、アッカ・ネットワークス代表取締役副社長の湯崎英彦氏は、「コンソーシアムを設立することで、各社が単独でM2M市場にアプローチするのと比べて、迅速なソリューション展開や新市場開拓が可能になる」と語った。

 湯崎氏はまた、「発起人企業となったアッカ、ウィルコム、マイクロソフトの3社は、有線、無線、情報システムプラットフォームの基盤インフラを持つとともに、M2Mビジネスを推進する立場にある」と説明。「M2M市場で3社は中立的な立場で、かつ、提携関係にあることから、M2Mの“2”に3社がなることで、実ビジネスを目的としたマーケットへのアプローチが可能になる」とした。

 マイクロソフト執行役 専務 ゼネラルビジネス担当の眞柄泰利氏は、「当社ではMS-DOS時代から組み込み型OSを提供していた」とM2M分野でのこれまでの関わりを紹介。「コンソーシアムを通じ、各社が進めるサービスやサポートに関して積極的に関わっていく」と同社の役割を語った。

 ウィルコム執行役員の瀧澤隆氏は、「エレベーター監視システムやカーナビゲーションシステムなど、1つ1つの規模は大きくはないがM2M市場で数多くのビジネスに関わってきたと当社は自負している」とコメント。「コンソーシアムを通じて、これまでの1対1の取引に加え、パッケージ化したソリューションをより広い顧客に対して提供していきたい」と述べた。

 アッカが持つ有線ネットワーク、ウィルコムの無線ネットワークでの切り分けについて瀧澤氏は、「今ある市場の10倍から100倍のポテンシャルがあると考えており、あまり低次元で食い合うことはないと考えている」と語った。また、アッカの湯崎氏は「有線と無線の適切な組み合わせを考えながら、新たな市場創造や課題の解決など、今までできなかったM2M市場における夢の実現に貢献していきたい」と抱負を語った。


発起人3社が掲げるビジョン


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.acca.ne.jp/release/060906.html

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( 村松健至 )
2006/09/06 19:40

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