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不正プログラムは特定の標的を狙う傾向に、トレンドマイクロ8月度調査


 トレンドマイクロは7日、8月度の「ウイルス被害感染レポート」を発表した。日本国内のウイルス感染被害の総報告数は8,393件で、7月の7,328件から増加した。企業や学校では夏期休暇の時期にあたることから、個人ユーザーからの問い合わせの割合が高くなっているという。

 被害件数のランキングでは、ポップアップ広告の表示などを行なうスパイウェア「SPYW_GATOR」の201件が先月に続いて1位。以下は、トロイの木馬「TROJ_AGENT」の180件、ワーム「WORM_SDBOT」の145件と続いた。

 8月には、ジャストシステムのワープロソフト「一太郎」の脆弱性を悪用するウイルス「TROJ_MDROPPER.BL」が確認された。TROJ_MDROPPER.BLは、一太郎で作成された文書ファイルとして侵入。シェルコードを実行し、別の不正プログラム「TSPY_PAPI.A」を作成する。この不正プログラムは、キー入力操作情報やユーザー名、パスワードなどを収集する。Officeの脆弱性を突くウイルスはこれまでも数多く登場してきたが、一太郎が狙われたのは初めてだという。

 トレンドマイクロでは、最近の不正プログラムの傾向として、「不特定多数を狙うマス型から、特定の標的を狙うスピア型への変化が大きな特徴。一太郎を狙ったケースも、それに類するもの」と分析。これまでは、世界的にメジャーなOSやソフトを使わないことが高いセキュリティレベルにつながるとする考えもあったが、利用される範囲が限定的なソフトでも十分にターゲットとされる環境になってきたとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.trendmicro.com/jp/security/report/report/archive/2006/mvr060907.htm

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( 増田 覚 )
2006/09/07 13:21

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