米Googleは、決済サービスの「Google Checkout」で、決済手数料による売上で利益を上げる戦略を採用していないことが判明した。これは7日にニューヨークで開かれた投資家向け会合「Citigroup 13th Annual Technology Conference」で明らかになったものだ。
この会合でGoogleのグローバルオンラインセールス&オペレーション担当バイスプレジデントのSheryl Sandberg氏は、Google Checkoutについて「この戦略は支払い処理やデータ処理で儲けるというものではない。この戦略はそれよりももっと幅広いものだ」とコメントした。
Sandberg氏によると、Google Checkoutの目的はインターネット上のEコマース活動を活性化させることにあるという。インターネット上にある無数の会社にそれぞれクレジットカード番号や住所、氏名を入力して煩雑な手続きをしなければならない状態であれば、誰も商品を買おうとはしない。それよりもGoogleという信用のある会社にプライバシー情報を一任することができれば、わずか99セントのビデオでも購入しようという気になるかもしれない。こうした現状を店と顧客の「摩擦」と捉え、この「摩擦」を減らすことがGoogle Checkoutの目的だとしている。インターネット上のEコマース活動を活性化させれば、こうした店の広告の取り扱いがコアビジネスとなっているGoogleのビジネスに長期的には利益をもたらすことになると考えている。
この会合で行なわれた別の質問の中では、Googleのエンジニアリング&リサーチ担当シニアバイスプレジデントのAlan Eustace氏が、Googleとしてはどの分野に進出するかあるいは進出しないかを選別することが非常に重要な仕事となっていることについて説明した。特にほとんどのエンジニアがその仕事の70%を検索技術と広告技術に費やしており、20%をある程度ビジネスモデルを見据えたプロジェクトに、そして残り10%を研究段階のプロジェクトに費やしていることを明らかにした。
こうしたことからもGoogleの中心があくまでも検索技術とそれに伴う広告技術とビジネスにあることを理解することができ、同社の中におけるGoogle Checkoutの位置付けを理解することができそうだ。
関連情報
■URL
Google 投資家向け情報(英文)
http://investor.google.com/
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・ 米Google、サイト横断的決済サービス「Google Checkout」提供開始(2006/06/30)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/09/11 12:14
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