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KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長(右)と東京電力の勝俣恒久取締役社長(左)
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KDDIと東京電力は12日、東京電力の光ネットワーク・カンパニーの事業を2007年1月1日に分割し、KDDIに統合することで合意したと発表した。KDDIが東京電力に対して普通株式14万4,569株を割り当て、東京電力からKDDIに理事1名が就任。東京電力の光ネットワーク・カンパニーの社員はKDDIに出向するとともに、光ファイバの建設・保守を受託する合弁会社を2007年1月1日をめどに設立することも検討する。
KDDIの小野寺正代表取締役社長兼会長と東京電力の勝俣恒久取締役社長は12日、事業統合についての記者会見を開催した。
KDDIの小野寺社長は「今回の事業統合の一番のメリットは、NTTの光ファイバに頼らず、自前のネットワークを構築できること」と説明。また、コスト面でもNTTの光ファイバを借りる場合に比べてメリットがあるとして、「今後はFTTHとCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)、さらにはau携帯電話を連携し、競合他社に対して競争力のある魅力的なFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスを提供していく。中長期的には、首都圏の提供エリアにおいてFTTHのシェア30%の獲得を目指していきたい」と意気込みを語った。
東京電力の勝俣社長は、「東京電力では9月末時点で関東一円に約14万kmの光ファイバを敷設しており、FTTHサービスの契約数も約34万件に達している。こうした光ファイバの設備やノウハウは、今回の事業統合によりKDDIの中で活かされ、さらに事業の可能性が大きく広がると確信している」とコメント。今後については、光ファイバの建設・保守に関するノウハウの提供や、電力線を通信路として利用するPLCと組み合わせたサービスの提案など、KDDIとの協力により利用者に今以上のサービスを提供していきたいとした。
東京電力以外の電力会社や電力系通信事業者との連携について、KDDIの小野寺社長は「まずは東京電力とアライアンスが組めたので、このモデルがうまくいっていることを見せていくことが重要だと考えている」とコメント。他の電力会社との連携についても進めていきたいとしたものの、現時点では具体的な交渉などは行なっていないとした。
今後のFTTHサービスの展開については、6月にKDDIと東京電力が共同で開始した「ひかりone」サービスが中心となる。また、東京電力が提供してきた「TEPCOひかり」サービスについては、既存のユーザーに対してはそのままの形でKDDIがサービスを提供する。光ファイバの利用形態について、ひかりoneは共有型、TEPCOひかりは占有型という違いもあり、将来的には両サービスは統合されるのかという質問に対してKDDIの小野寺社長は、「将来的にどうするかについては検討中だが、お客様に迷惑のかかるようなことはしない」とコメントした。
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■URL
ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/1012/index.html
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( 三柳英樹 )
2006/10/12 20:15
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