米Microsoftは、2006年上半期における悪意のあるソフトウェア(マルウェア)やスパイウェアの動向を「Microsoft Security Intelligence Report」としてとりまとめた。同社が提供する「Windows Malicious Software Removal Tool(MSRT、悪意のあるソフトウェアの削除ツール)」の検知・駆除実績データなどを報告している。同社サイトからPDFファイルがダウンロードできる。
MSRTによって駆除されたマルウェアで最も多かったのは「Win32/Rbot」ファミリーで、121万6,168台のPCから254万3,162個が駆除された。2位は「Win32/Parite」の177万9,654個/58万8,563台、3位は「Win32/Alcan」の83万3,553個/51万4,886台と続く。Winnyなどのユーザーをターゲットにした「Win32/Antinny」は14位で、7万1,483台のPCから25万2,393個が駆除された。
レポートによると、Microsoftが提供するマルウェア対策ツールにおいて検知される脅威のうち、かなりの割合をトロイの木馬とボットが占めているという。MSRTによってマルウェアの駆除が行なわれた400万台のコンピュータのうち、半数にあたる約200万台において、バックドアを開くトロイの木馬が少なくとも1個含まれていたとしている。ただし、この比率は2005年下半期の68%よりは減少した。なお、マルウェアの配布方法としては、特に大量メール送信とP2Pネットワークによる、ソーシャルエンジニアリング的手法が依然として主流だとしている。
今回のレポートでは、MSRTのほかに、「Windows Live OneCare」「Windows Live OneCare Safety Scanner」「Windows Defender」などのデータも報告された。
Windows Live OneCare Safety Scannerは8月に世界44地域でベータ版が公開されてから、700万回近くスキャンが実行され、約300万個のマルウェアやスパイウェアを検知。57万5,000台のPCから削除したという。
スパイウェアなどを対象とするWindows Defenderのベータ版においては、4月11から6月30日までの間に、ユーザーから望まれていない可能性のあるソフトウェアを2,227万個検知し、そのうち62%にあたる1,383万個が削除されたという。
関連情報
■URL
「Microsoft Security Intelligence Report」ダウンロードページ(英文)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=1C443104-5B3F-4C3A-868E-36A553FE2A02&displaylang=en
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( 永沢 茂 )
2006/10/27 16:39
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