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松下電器産業、家庭向け高速PLC製品を12月9日に発売


 松下電器産業は、家庭向けの高速PLCアダプタとして、マスターアダプタとターミナルアダプタをセットにしたスタートパック「BL-PA100KT」、増設用アダプタ「BL-PA100」の2機種を12月9日に発売する。オープンプライスで、実売想定価格はBL-PA100KTが20,000円前後、BL-PA100が13,000円前後。


実効速度はTCPで最大50Mbps程度。アマチュア無線対策も

BL-PA100KTとBL-PQ100
 BL-PA100KT、BL-PQ100は、松下が提唱する高速PLC技術「HD-PLC」を採用した製品で、2〜30MHz帯を利用する高速PLCの実用化商品としては国内初となる。マスターアダプタとターミナルアダプタを家庭内の電源コンセントに差し込むだけで、特別な工事など必要なくインターネット接続が可能。製品の製造はパナソニック コミュニケーションズが担当した。

 通信速度は物理速度で最大190Mbpsで、アダプタ間のデータ通信は128bitのAESで暗号化。ターミナルアダプタは推奨台数で最大15台まで登録でき、スイッチングハブを介して接続端末を増やすこともできる。製品で利用する帯域は4〜28MHz。なお、PLCは宅内LANの配線に利用するものであり、ADSLやFTTHといったインターネット接続環境は別途必要になる。

 実効通信速度は、SmartBitsによるUDP測定値で最大80Mbps、Linux上で動作するFTPサーバーとのTCP測定値で最大55Mbps。インターネット接続では環境によって異なるものの、20〜30Mbps近い速度で接続できているという。本体にはUDPを基準とした簡易通信速度測定機能を搭載し、ランプの点滅によって10Mbps以下、10〜30Mbps、30Mbps以上という3段階で通信速度が確認できる。


宅内のコンセントがインターネットの入口に マスターアダプタはルータなどに接続

HD-PLC3つの特徴「Simple」「Speedy」「Secure」 機器増設時もボタン操作のみで設定が完了

最大16台のアダプタを接続できる 通信速度測定機能も搭載

 実効通信速度は、SmartBitsによるUDP測定値で最大80Mbps、Linux上で動作するFTPサーバーとのTCP測定値で最大55Mbps。インターネット接続では環境によって異なるものの、20〜30Mbps近い速度で接続できているという。本体にはUDPを基準とした簡易通信速度測定機能を搭載し、ランプの点滅によって10Mbps以下、10〜30Mbps、30Mbps以上という3段階で通信速度が確認できる。

 スタートパックに含まれるマスターアダプタとターミナルアダプタは製品としては共通で、製品出荷時にマスター、ターミナルそれぞれの設定が行なわれている点が異なる。製品ごと固有のAESが設定されているため、マンションの隣室などでもLAN内のデータ伝送を保護できるとしている。

 アマチュア無線や短波放送といった、同じ帯域を利用する既存インフラとの共存も考慮。独自の技術「Wavelet OFDM」により、アマチュア無線などで使われている信号をカットすることで、他の設備に影響を与えないという。

 本体サイズは121×70×40mm(幅×奥行×高)、重量は約240g(本体のみ)。10BASE-T/100BASE-T×1ポートを搭載し、通信距離は最大150m。


利用イメージ アダプタ背面

製品パッケージ

ネットワークカメラやHD映像転送の接続デモ


ホームネットワークインフラの本命。HD-PLCのデファクト化を目指す

パナソニック コミュニケーションズの藤吉一義代表取締役社長
 松下電器産業の役員を務めるパナソニック コミュニケーションズの藤吉一義代表取締役社長は、今回発売を発表したPLC製品を「ホームネットワークインフラの本命」と説明。有線LANではケーブルの配線が邪魔になる、無線LANでは設置が難しく電波が届かないなど家庭内の普及に課題を残していたとした上で、「コンセントにつなぐだけでインターネットに接続できるPLCであれば、家庭中のコンセントがネットワークの入り口になる」とのメリットを示した。

 HD-PLCは、数あるPLC技術の中で松下電器が提唱する技術で、藤吉氏はPCなしで設定でき、アマチュア無線など既存インフラへの対策や暗号化などのセキュリティ機能が特徴と説明。現状では他のPLC方式とは通信できないという課題があるが、松下では米IEEE、欧ETSI、日本のPLC-Jなどへ、異なるPLC方式が共通で利用できる仕組みの標準化を提案。「中低速のPLCは市場がすでに確立されており、方式を統一しなくても共存できるような方法を考えたい」とした。

 2007年3月にはタップ型の製品も松下電工から発売予定。PLCアダプタに3つのACコンセントが搭載されており、合計1400Wまで電気機器を利用できる。また、会場ではスイッチングハブを搭載したPLCアダプタも参考出展された。


有線LANと無線LANの家庭内導入における課題 アマチュア無線など既存インフラへの影響も考慮

タップ型のPLCアダプタ Wavelet-OFDMの仕組み

参考出展されたタップ型のPLCアダプタ スイッチングハブ内蔵型も参考出展

PLCの世界需要予測
 製品販売だけでなく、ICチップやモジュールによる事業展開も進める。モジュールはパナソニック コミュニケーションズとその子会社パナソニックCC宮崎が開発し、12月1日よりサンプル出荷を開始する。自社や松下グループだけでなく、他社にも広く提供することでHD-PLCのデファクトスタンダード化も視野に入れる。藤吉氏は2010年にはPLC機器の世界需要が1億台に達するという自社予測を示した上で、「PLCモジュール、完成品で200億規模の事業規模を目指す」とした。

 組み込みモジュールの対象となる製品は、「これまでこういった製品がなかったのでこれから考えていく」と前おいた上で、「FAXや電話、インターフォンも含め、ネットワークにつながる可能性のあるものには入れていきたい」と発言。「法人でもオフィスの小さな場所ではLAN配線などが難しい場合もあり、SOHO向けオフィス機器への組み込みも考えている」とした。

 2台で市場想定価格20,000円という価格については「無線LANは相当数が普及しているため、すぐに同程度の価格帯は難しい」としながらも、「ある程度の普及数に達すれば同じ程度の価格は出せる」とコメント。会場の説明員によれば、構造が無線LANよりも簡単なため、普及台数次第では無線LAN機器よりも安価に発売できるとした。

 海外では宅外でもPLCが利用されているが、「日本ではブロードバンドが発展しているため、当面は宅内のみを考えている」(パナソニック コミュニケーションズ PLC推進室の宮崎富弥室長」。海外でも宅外機器にはまだ着手しておらず、「用途があれば分析したい」とした。


小型の組み込み型PLCモジュールも開発 BL-PA100の基盤

将来の展開予測 個人や法人など幅広いチャネルで事業を展開

関連情報

URL
  ニュースリリース(PLCアダプタ)
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn061113-1/jn061113-1.html
  ニュースリリース(組み込みPLCモジュール)
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn061113-2/jn061113-2.html

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( 甲斐祐樹 )
2006/11/13 20:38

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