世界最大の計算機科学者の国際学会であるAssociation for Computing Machinery(ACM)は21日、2006年度のACMチューリング賞をFrances E.Allen氏に授与することを発表した。1966年にチューリング賞が設立されてから、女性が受賞するのは初めてのこととなる。賞金は10万ドルで、2007年6月9日に米国カリフォルニア州サンディエゴで開かれるACM賞晩餐会において授与式が行なわれる予定だ。
Allen氏は現在、米IBMのT.J.Watson Research CenterのIBM名誉フェローの肩書を持つ。プログラム最適化の理論と応用に関して多数の業績があり、特に自動プログラム並列化の初期の仕事は、スーパーコンピュータを使った天気予報や暗号解読などの分野に大きな影響を与えたとされる。
Allen氏は1950年代半ばにニューヨーク州北部地域で2年間にわたり高校で数学を教えた後、数学で修士号を取得し、1957年にFORTRANを教えるためにIBMの研究所に来た。1989年には女性初のIBMフェローに任命され、1994年にはACMフェローとなっている。
Allen氏がIBMに語ったところによると、Allen氏は単に学費を返済するためにIBMに入社したのだという。「私は自分の借金を払えるだけの期間しか居るつもりはなかったのです。なぜなら私は高校数学を教えることが大好きで、また戻るつもりでした」とコメントしている。
関連情報
■URL
ACMのニュースリリース(英文)
http://campus.acm.org/public/pressroom/press_releases/2_2007/turing2006.cfm
米IBMのニュースリリース(英文)
http://www.ibm.com/ibm/ideasfromibm/us/award/index.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/02/22 12:50
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