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米Google、成果報酬型広告「Pay-Per-Action」のテストを開始


 米Googleは20日、米国内に限定して成果報酬型広告「Pay-Per-Action」のテストを開始したと発表した。この広告はGoogle AdSenseネットワークに配信され、広告主が設定した行動をユーザーが起こした場合にのみ、自ら設定した成果報酬をGoogleに支払うという仕組みだ。

 成果報酬型広告を出稿する広告主は、まずユーザーの行動を設定する必要がある。それは成果報酬を支払ってもよいと考えるようなユーザーの行動で、例えばサイトへのサインアップ、フォームへの記入、商品の購入などだ。この項目はGoogleがあらかじめ用意したものでもよいし、自ら別に指定する行動でもよい。さらに指定した行動をユーザーが行なった場合にGoogleに支払う広告料金を設定できる。

 表示される広告の種類はテキスト広告、イメージ広告、そして新しく加わったテキストリンク広告の3種類がある。テキスト広告とイメージ広告はこれまでAdSenseで見られたものだ。

 新しく加わったテキストリンク広告は、最大90文字の文章として表示されるハイパーリンクだ。リンクの上にマウスオーバーさせると「Ads by Google」と表示され、そのリンクが広告であることがわかるようになっている。この広告は、広告を表示するサイトが文章の中に自由に埋め込むことができる。

 広告を表示するサイトは、どの成果報酬型広告を表示するかを事前に選ぶことができる。そのため広告主は、あらかじめ商品の名前、内容、ロゴマーク、広告に設定した行動などを登録する必要がある。それによって広告を表示するサイトは、その広告が自分のサイトとビジター層に適合しているかどうかを選択することができる。

 これまでGoogleの広告はクリック数やインプレッション数に応じて課金していたが、ユーザーが実際に起こす行動に対して課金できることがPay-Per-Actionの大きな特徴だ。Googleはクリック詐欺の対策に頭を悩ませているが、意図的でないにしても、Googleはクリック詐欺からも利益を得てしまうことになるため、広告主とは利益が相反している。成果報酬型広告が広がれば、詐欺を働くためのコストは大幅に高くなるため、Googleの広告ネットワークをクリーンにするために役立つ可能性もあり、Googleと広告主双方の利益にかなっている。

 しかしその一方で、新しく発表されたテキストリンク広告は議論の的となる可能性がある。なぜならテキストリンク広告は文章の中に埋め込むことができ、他の文章やハイパーリンクと見分けが付かない可能性があるからだ。Googleはこの問題を、マウスオーバーさせると「Ads by Google」と表示させることによって回避しようとしている。Googleは創業以来、広告を紛らわしい場所に表示させることに難色を示し続け、Googleサーチエンジンの表示結果における広告の表示位置でもほかのサーチエンジンと一線を画してきた経緯がある。

 Pay-Per-Actionは、米国内の広告主とAdSense利用者に対してテスト参加申し込みを受け付け、段階的に利用者を増やしながらテストを進めていく考えだ。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.google.com/intl/en/press/annc/adwords_ppa.html
  Pay-Per-Action広告(英文)
  http://services.google.com/payperaction/

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/03/22 12:46

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