総務省は25日、経済産業省と連携して2006年12月から取り組んでいる「ボット対策プロジェクト」の活動状況をとりまとめた。2007年3月末までの3カ月版で、未知のボットプログラムを1,700種以上検知したほか、ボット感染者約6,000人に対して注意喚起のメールを送信したという。
このプロジェクトは、ボットプログラムに感染したPCからのサイバー攻撃などを迅速・効果的に停止させることを目的として推進しているもの。総務省、経済産業省のほか、日本データ通信協会テレコム・アイザック推進会議(Telecom-ISAC Japan)、情報処理推進機構(IPA)、JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)や、ISPではBIGLOBE、DION、hi-ho、IIJ、@nifty、OCN、ODN、Yahoo! BB、セキュリティベンダーではマイクロソフトやトレンドマイクロ、シマンテック、マカフィー、ソースネクストが参加している。2006年12月12日にサイト「サイバークリーンセンター(CCC)」を開設し、ボット対策情報を発信するとともに、無償のボット駆除ツール「CCCクリーナー」も提供している。
プロジェクトでは、ISPらの協力の下でハニーポットを設置し、ボットプログラムを収集。その検体を分析することで感染者のIPを特定し、協力ISPにリストを提供する一方で、そのボットに対応する駆除ツールを作成した。感染者に対してISPから注意喚起と駆除ツールの適用を呼びかけるメールも送信している。
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「ボット対策プロジェクト」の全体像
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総務省では今回、2006年度(2007年3月末まで)の実績をとりまとめて公表した。これによると、ハニーポットで収集したボットプログラムの検体は延べ97万4,999体/3万1,082種に達した。市販のウイルス対策ソフトで検知できないものも1,711種見つかったという。さらに、このうちの1,259種については駆除ツールで対応し、CCCのサイトで提供。駆除ツールは5万4,699回ダウンロードされた。
ISPから送信した注意喚起メールの対象者は6,005人で、メールの総数は1万483件に上った。このうちの30.8%にあたる1,851人が駆除ツールをダウンロードしたという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070425_1.html
サイバークリーンセンター
https://www.ccc.go.jp/
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( 永沢 茂 )
2007/04/25 16:21
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