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2006年度の音楽著作権使用料は1,110億円、CD低迷で減少〜JASRAC

iPod課金の必要性や著作権保護期間延長を訴える

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は16日、2006年度の事業報告説明会を開催した。同年度における音楽著作権使用料の徴収額は1,110億9,800万円で、前年度から2.2%(24億9,100万円)減少した。徴収額が前年を下回ったのは、2001年度に続き2度目。

 加藤衛常任理事は、「音楽CDなどオーディオディスク分野が伸び悩んでいることが最大の原因」と語る。来年度の徴収額についても、音楽CD売上の減少などを見越して、2006年度を下回る1,103億7,000万円としている。


音楽CD低迷は「いかんともしがたい」、来年度は定額音楽配信に期待

JASRACの加藤衛常任理事
 使用料徴収額を分野別に見ると、音楽CDを含むオーディオディスク分野が242億5,200万円で、前年度比では6.9%減。「オーディオディスクの売上減は、JASRACとしてもいかんともしがたいが、来年度も減少傾向は続くだろう」(加藤氏)。DVDが含まれるビデオグラム分野は142億2,200万円で、前年度から3.2%減少した。

 インタラクティブ配信分野は76億9,900万円で、前年度から16.4%減少。同分野では「着うた」や「着うたフル」が増加したが、徴収額の半分以上を占める着メロが前年度比46%減と低迷した。なお、JASRACでは2007年1月から、音楽配信サービス「ナップスター」など定額音楽配信サービスの管理を開始したが、2006年度の徴収額には反映されていない。

 インタラクティブ配信分野について菅原瑞夫常任理事は、「着うたや着うたフルは、着実に伸びている。さらにナップスターなどサブスクリプション方式による音楽配信の徴収額も計上されるので、決して心配はしていない」と語った。


携帯音楽プレーヤーを補償金対象として諸外国と調和を図るべき

 また、私的録音補償金分野は39億円で前年度比22.8%減、私的録画補償金分野は25億6,000万円で前年度比8.5%増となっている。

 質疑応答では、「iPodをはじめとする携帯音楽プレーヤーが補償金制度の対象となった場合、私的録音補償金はどのくらいになるか」という質問があり、泉川昇樹専務理事が回答した。それによれば、「1曲あたり8円50銭」というJASRACの使用料規定と携帯音楽プレーヤー1台あたりの平均収録楽曲数をもとに算出すると、約110億円に達するという。

 「私的録音録画補償金による徴収額は、ドイツでは233億3,000万円、フランスでは266億3,200万円。両国ではiPodの類が補償金制度の対象になっていることから考えると、補償金対象の範囲の違いによって、日本との徴収額の差が出ているといえる。日本では、肝心の携帯音楽プレーヤーが補償金制度の対象外で、補償金制度は機能不全の状態。諸外国の現状を踏まえると、日本も携帯音楽プレーヤーを補償金対象として、補償金のレベルも調和を図るべき。」(泉川氏)


船村徹会長、著作権保護期間は「1日でも早く死後70年に」

JASRACの船村徹会長
 事業報告説明会の冒頭では船村徹会長が、「一作家として思いを熱くしている」という著作権保護期間の延長問題に触れ、著作権の保護期間を現在の「死後50年」から「死後70年」に延長すべきだと訴えた。

 「私事で恐縮だが、昭和31年に親友で作詞家の高野公男を26歳で亡くしている。(高野氏とは)春日八郎の歌唱により大ヒットした『別れの一本杉』をともに作った。しかし、死後50年ということで、昨年で歌詞の著作権の保護期間が切れてしまった。そういうことからしても、もう少し早めに先進国並(の死後70年)にしていれば、遺族のためにもいくらかお役に立てたと忸怩たる思いがある。後進のためにも、一日でも早く死後70年にしたい。」(船村氏)

 また、加藤氏も「海外では70年間、日本では50年間というギャップは、文化的な側面から見ても国際的なハーモナイゼーションを欠いている」として、著作権保護期間を延長すべきであると主張した。

 一方、第二次大戦中に日本が連合国側の著作権を保護していなかったという理由から、連合国側の著作物について約10年間の保護期間を加算する「戦時加算」の問題については、「日本だけが戦時加算を受けるのは不条理。JASRACでは著作権の保護期間延長を訴えているが、それとは別に独立した問題として、戦時加算の解消を求めてきた。次回のCISAC(著作権協会国際連合)では、(戦時加算が解消される)決議が行なわれる予定」(加藤氏)と語った。


関連情報

URL
  JASRAC
  http://www.jasrac.or.jp/

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( 増田 覚 )
2007/05/16 20:12

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