米McAfeeは4日、サーチエンジンの危険性について調査した報告書「The State of Search Engine Safety」を発表した。この調査は、同社のセキュリティソフト「SiteAdvisor」が収集したWebサイトの危険性レーティングに基づいて行なわれた。
SiteAdvisorは、アドウェアやスパイウェア、ウイルス、攻撃コード、スパム、過度なポップアップ、他の危険なサイトなどと強い関係性を持つサイトが検索結果にリストアップされた場合、その右側に赤いアイコンを表示して警告する。今回の調査はこの技術を利用して、米国のGoogle、Yahoo!、MSN、AOL、Askの検索結果に、どれくらいの割合で危険なサイトが含まれているかを調査した。
すべてのサーチエンジンの平均をとると、全検索結果のうち4.0%が危険なサイトへのリンクだった。各サーチエンジンごとにみると、Yahoo!が5.4%となり、5つのサーチエンジンの中で最も悪い成績を残した。それだけでなく、2006年5月の調査時点でYahoo!は4.3%だったのに対して、2006年12月には5.1%、2007年5月には5.4%へと、危険なサイトを検索結果に表示される割合が増加している傾向がみられた。
これに対して2位以下のMSNは4.2%、Askは3.5%、Googleは3.4%、そして最も成績が良かったAOLは2.9%だった。特にAsk、Google、AOLでは、2006年5月の調査以来、危険なサイトの表示数は減少傾向が続いている。
● スポンサー広告のうち6.9%が危険なサイト
検索結果の中でも、スポンサー広告と、広告以外の検索結果では危険なサイトの割合が大きく異なっている。2007年5月の最新調査では、スポンサー広告に危険なサイトが含まれる割合は6.9%だったのに対して、それ以外の通常の検索結果に危険サイトが含まれる割合はわずかに2.9%だった。実に4ポイントもの違いがあることがわかる。それでも、スポンサー広告のリスクは徐々に減少している。2006年5月には8.5%、2006年12月には8.0%だったことから、1年間で1.6ポイントも減少した。
この分野でもGoogle、AOL、Askのスポンサー広告の危険性は大きく減少しているのに対して、Yahoo!では9.0%となり、1年前に比べて2.5ポイントも増加した。
● 最も危険な検索語句は「bearshare」
さらに、どのような検索語を入力すると危険なサイトの割合が多いかも調査された。特に音楽とテクノロジーの分野で危険性が高かったという。デジタル音楽関連の語句では19.1%と最も高く、続いてテクノロジー関連のガジェットやチャット、壁紙などの分野で危険性が高かった。最も危険な言葉のランキングを見ると、1位がファイル交換ソフトの「bearshare」で、検索結果の45.9%が危険なサイトだった。2位は「screensavers」の42.0%、3位はファイル交換ソフト「limewire」の37.1%だった。上位10語の中にファイル交換ソフトの名前は5語もランクインしている。
このように、検索結果の中にも危険なサイトが数多く含まれていることがわかる。ただし、調査手法によって結果に差が出ることは想像に難くない。McAfeeは検索語句を選ぶ際に、よく使用されているキーワードをGoogle ZeitgeistやYahoo! Buzzなどから2,300語抽出。その上で5つのサーチエンジンで最初の50件の検索結果を解析し、SiteAdvisorによる赤・黄・青の危険度レーティングによって判定した。そのため、検索語の選び方(英語や日本語の違いを含め)やSiteAdvisorの正確性によっては、差が出ることも考えられる。いずれにせよ、自分がしばしば使用する検索語がどれほど危険性があるかどうかを考えてみる良い機会となるだろう。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.mcafee.com/us/about/press/corporate/2007/20070604_181500_u.html
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・ サーチエンジンの検索結果には危険が潜む~米McAfee調べ(2006/05/15)
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/06/05 13:34
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