アイレップは11日、Web閲覧者の視線の動きを測定する「Web Eye」を用いて、ヤフーとグーグルの検索結果画面における視点データの分析結果を公表した。調査は2006年9月29日から10月2日にかけて、東京・吉祥寺で無作為に選んだ被験者76人を対象に実施した。
Web Eyeとは、赤外線を対象者の目の網膜に照射し、その反射を利用して画面上の視線の動きを測定する手法。今回の調査では、ヤフーとグーグルの検索結果画面について、「画面上部に検索連動型広告が表示されている場合(a)」と、「画面上部に同広告が表示されていない場合(b)」に分けてデータを収集した。
それによると、ヤフーの検索結果画面では、aが「I型」、bが「逆L型」で視線が移動していることがわかったという。
同社によれば、「I型」となるのは、ユーザーが画面上部の広告および検索結果の上位付近に向けて、画面上から下にかけてタイトルの先頭部分を中心に視線が移動するためだという。「逆L型」となるのは、検索上部に画面左から中央右にかけて表示される「関連検索ワード」や「Yahoo!カテゴリ」が最初に注視された後、検索結果の上位から下位にかけて視線が動くためとしている。
一方、グーグルの検索結果画面では、aが「L型」、bが「E型」で視線が移動しているという。グーグル利用者の視線移動は、「画面左上を基点に、上から下に視線が移動する」「タイトルの先頭から最後まで注視される」(アイレップ)傾向が見られたとしている。
同社は、グーグルの検索連動型広告(アドワーズ広告)のタイトルが全角12文字で、検索時に表示されるタイトル文字数よりも少ないことを指摘。このため、広告表示時に視線が上から下に移動した際、広告枠の範囲内では視線が左から右にかけて広がらずに、上から下に直線移動するという。しかし、検索結果の表示範囲内になると、タイトル文字を注視するために視線が右側にも広がる傾向があることから、「L型」の形を示したと分析する。また、「E型」となるのは、視線が上から下に移動しつつ、タイトル(Eの横棒)を注視して説明文(Eの横棒の空間)を流し読みするためと指摘する。
これらの結果について同社は、「ヤフーと比べて、グーグルの検索利用者はタイトル文字の内容を見てクリックする場所を決めている傾向が強い」と分析している。
今回の調査では、検索結果画面における視線の動きの他に、クリック率の調査も実施した。それによれば、ヤフーとグーグルではともに、「価格.com」など大手著名比較サイトの直下に表示されているリンクはクリックされる確率が低くなる傾向が見られたという。
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ヤフーとグーグルの検索結果画面における視線の動き
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.irep.co.jp/press/release/2007/0611-1218.html
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