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中国で海賊版374万枚押収、コンテンツ海外流通促進機構が活動報告

今後は「商標権侵害」による著作権侵害対策も

 コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は13日、海賊版対策として中国、香港、台湾の現地取り締まり機関と共同で推進している活動の実績を発表した。2005年1月から2007年4月までの2年4カ月間で、映画やアニメ、音楽、ゲームなどの海賊版DVDやビデオCD、CDを374万枚押収、1,242名が逮捕されたという。1枚あたり1,300円と見積もると、押収物の総額は48億6,000万円に上る。


海賊版DVDを“商標法違反”で摘発

13日に行なわれた記者会見では、CODAの代表幹事らが海賊版対策の意気込みをアピール
 CODAは、日本のコンテンツ業界が海外での事業展開を図ることを目的として2002年に設立された民間の任意団体。現在、音楽や映像、アニメ、ゲームの制作会社や流通業者、著作権関連団体など、22の企業と20の団体が参加している。

 CODAの活動には海外での海賊版対策があり、その1つとして展開しているのが、DVDのパッケージなどに「CJ(Content Japan)マーク」を掲載するというものだ。CJマークは、単に日本のコンテンツであることを示すものではなく、このマーク自体を各国で商標登録することにより、海賊版の摘発を迅速に行なうことが目的だ。具体的には、海賊版製造業者が正規品からカラーコピーなどでパッケージを複製する場合、このマークも一緒にコピーされることが予想される。そうなれば、それら海賊版を「商標権侵害」として、いわば別件逮捕のかたちで摘発できるというわけだ。

 もちろんこれらの海賊版は、著作権侵害で摘発するのが通常だが、権利者であることを証明しなければならないほか、著作物である以上、オリジナルとして認められるかどうかという微妙な判断も伴う。これに対して、商標権侵害であれば、その国でCJマークが商標登録されていさえすれば、著作権侵害よりも格段にシンプルなプロセスで権利を行使できるという。

 現在、日本と香港、台湾、EU諸国、米国で登録済みで、中国と韓国でも出願中だ。中国でも登録されれば、今後、海賊版の流通規模の大きい中国で、商標権侵害による海賊版の摘発がこれまでよりも迅速に行なえるようになると見ている。


香港では海賊版製造業者に禁固6年1カ月の重い判決も

海賊版
 このように、中国本土におけるCJマークの商標登録が済んでいないため、CJマークの商標権侵害による摘発事例はまだほとんどないという。今回発表した摘発件数は著作権侵害や、中国では違法営業によるものだ。

 摘発数を年度別に見ると、CODAが権利行使を開始した2004年度(2005年1月〜3月の3カ月間のみ)では、取り締まり件数が57件、押収枚数が45万8,031枚、逮捕者が47人だった。2005年度(2005年4月〜2006年3月)は取り締まり件数が1,091件、押収枚数が227万6,180枚、逮捕者が515人、2006年度(2006年4月〜2007年3月)は取り締まり件数が2,250件、押収枚数が95万3,251枚、逮捕者が637人だった。

 2005年度の押収枚数が多いのは、1件の摘発で140万枚を押収した事例が含まれているため。それを除けば、取り締まり件数、逮捕者数ともに増加している。

 CODAのCJマーク委員会で委員長を務める後藤健郎氏(日本映像ソフト協会理事・事務局長)によると、中国においては、日本のコンテンツホルダーは海賊版業者に対して権利行使して来ないだろう見られており、堂々と海賊版を所持・販売するなど「野放しだった」という。実際、CODAが海賊版対策活動を始める前は、各コンテンツホルダーが個々に権利行使している状態で、摘発件数もわずかだったとしている。

 それが、CODAの活動により、前述のように摘発件数は増加傾向にある。さらに2007年5月28日には香港の裁判所において、日本のコンテンツの海賊版を製造していた業者に対して、最高で禁固6年1カ月の有罪判決が出た例もあり、成果が着実に現われているとしている。この案件では、香港の九龍地区にあった海賊版工場が摘発され、複製機器144台、海賊版ディスク7万5,000万枚を押収、11名が逮捕された。禁固6年1カ月というのは、香港の著作権侵害事件としては過去2番目に重い判決だとしている。

 後藤氏によれば、ポリカーボネートの原料となる粉からDVDを製造し、海賊版を一貫生産しているような大規模なところもあり、従業員は正規品の工場と思って働いている場合もあるという。ここでは、現地の映画館で盗撮した映画や、オンラインからダウンロードした映像をマスターとして、大量に複製・パッケージ化している。

 CJマークは、最近ではパッケージ以外にも映画の映像内に入れる動きも出てきているという。海賊版業者は少しでも製造コストを下げようとするため、映像内に入っているCJマークをわざわざ消去するといった手段に出ることは考えにくいとしており、CODAでは、CJマークの商標権侵害による権利行使も今後増えていくものと見ている。


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( 永沢 茂 )
2007/06/13 21:24

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