ヤフーは27日、「Yahoo!オークション」において「受け取り後決済サービス」を開始すると発表した。出品者と落札者が互いに口座番号や個人情報を知らせることなく、決済から配送までの取引を完了できる。サービス開始は7月11日の予定。
受け取り後決済サービスは、その名称通り、配送会社が落札者へ商品を配達した後に出品者の口座に代金が入金される決済方法だ。代金を支払ったにもかかわらず商品が届かないといったトラブルを防げるとしている。また、出品者と落札者が互いの名前や住所、電話番号などを知らせることなく、商品の発送・受け取りが行なえるのも特徴。発送・受け取りはそれぞれの自宅のほか、セブン-イレブンの店頭でも可能だ。
このサービスは、出品者が決済方法として受け取り後決済サービスを挙げているオークションで利用できる。その場合、オークション終了後に落札者が受け取り後決済サービスを選択することで、決済や配送を匿名で行なえるようになる。
なお、出品者は、受け取り後決済サービスに対応するためには「Yahoo!ネットバンキング」の利用登録をしていることが条件となる。Yahoo!ネットバンキングは、ジャパンネット銀行の普通預金口座とYahoo! JAPAN IDを連携した決済サービス。これにより、落札者に対して実際の口座番号を明かすことなく代金を振り込んでもらうことができる。一方、落札者もYahoo!ネットバンキングを使えば、出品者に対して口座名義を知らせずに振り込むことができる。
受け取り後決済サービスの利用料は、出品者側は無料、落札者側はYahoo!ネットバンキングを使った場合52円(8月31日までキャンペーン期間で無料)、他の口座から振り込む場合は各金融機関の振込手数料がかかる。対応する配送会社は日本通運とヤマト運輸で、発送・受け取り場所は日本通運が自宅、ヤマト運輸が自宅またはセブン-イレブン。送料は640円からだが、ヤマト運輸では自宅集荷の場合740円からとなる。
具体的な手順は、まず出品者・落札者がYahoo!ネットバンキングに対してそれぞれの住所を入力。すると、ジャパンネット銀行にその取引専用のワンタイム口座が発番される。落札者がその口座に代金を振り込むと、出品者に対して入金の連絡が入るため、出品者は指定の配送会社を使って発送すればよい。配送会社が商品を引き受けた段階で取引固有の伝票番号が発番され、双方に通知される。
落札者が配送会社またはセブン-イレブンから商品を受け取ると、ジャパンネット銀行のワンタイム口座から出品者のYahoo!ネットバンキングの口座に対して代金が入金され、取引が完了する。なお、落札者がセブン-イレブンで商品を受け取る場合には、取引固有の伝票番号および運転免許証など本人確認資料の提示が必要だ。また、預かり期間も3日以内となる。
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落札後の取引の流れ
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すでにYahoo!オークションでは、決済方法にYahoo!ネットバンキングを使用することで、口座番号を伝えることなく代金を受け取れる仕組みを導入済みだ。また、5月からは、オークション終了後の連絡手段として、メールアドレス不要で落札者と出品者が専用で使用できる掲示板「取引ナビ」を提供開始。7月4日以降はメールアドレス情報の表示も廃止し、連絡手段は取引ナビに全面移行する方針だ。
今回の受け取り後決済サービスにより、Yahoo! JAPAN ID以外の情報を伝えることなく、Yahoo!オークションの取引を完了できる環境が用意された。なお、受け取り後決済サービスはオプションのため、従来通り口座番号や名前、住所などを伝えて取引する方法も引き続き可能だ。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://pr.yahoo.co.jp/release/2007/0627a.html
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( 永沢 茂 )
2007/06/27 19:17
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