シマンテックは28日、「企業におけるスパムメールの現状に関する調査」の結果を発表した。今回の調査では、企業のネットワーク管理者に対して3月19日から26日までWebアンケートを実施し、566件の有効回答を得た。また、企業内のエンドユーザーに対して5月10日から22日までWebアンケートを実施し、468件の有効回答を得た。
まず、ネットワーク管理者の調査から、企業が受信しているメールの総数は平日1日あたり平均104,303通となり、昨年調査の77,126通に比べて35%増加していることがわかった。このうちスパムメール(迷惑メール/ジャンクメール)の比率は平均で28%程度で、昨年調査の20%から上昇した。総メール受信数に掛け合わせると、1社あたり1日に約29,000通のスパムメールを受信していることになる。
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調査結果について解説するシマンテックの田上利博氏
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企業におけるスパムメール受信率の推移
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導入しているメールセキュリティ対策を答える設問(複数回答)では、「ウイルス対策」が88.2%で最多だが、昨年調査の86.7%から若干の増加にとどまる。一方、2番目に多かった「スパム対策」は昨年の46.5%から今回は57.4%へ増加し、メールセキュリティ分野では最も成長率の高い対策だという。このほかは、「コンテンツフィルタリング」が33.0%(昨年は29.2%)、「データの暗号化」が23.1%(同24.7%)、「フィッシング対策」が17.3%(同13.5%)。
ただし、スパム対策を導入しているといっても、サーバー用のスパム対策ソフトを導入している企業も35.3%に上ったものの、「メーラーのスパムフィルタ機能」(30.9%)といった簡易な方法や、「ユーザーによる手動削除」(43.3%)などユーザー任せにしている企業もまだ多いことが明らかになった。
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企業が導入しているメールセキュリティ対策
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企業が導入しているスパム対策ツール
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一方、エンドユーザーの調査によると、平日1日あたりで受信しているメールの総数は平均108通で、昨年調査の91通から19%増加。スパムの比率は平均28%となり、昨年調査の21%から上昇した。
日常業務を行なう上でスパムメールが及ぼす影響について、実際に経験したことを選ぶ設問(複数回答)では、「仕事のメールが探しにくくなった」が31.4%でトップだが、昨年調査の36.7%から若干減少している。また、2位の「業務中断で集中力や生産性が低下」も昨年の30.6%から今回は26.7%へ減少。さらに、5位の「ウイルスやスパイウェアが侵入した」は昨年の17.3%から今回は2.8%へと大きく減少している。
エンドユーザーがスパム処理に費やす時間は、1日あたり1人平均4.3分だった。昨年調査の4.4分からわずか0.1分短縮するにとどまっており、シマンテックでは「今後はユーザーの処理時間を確実に減らす対策の導入が望まれる」としている。
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エンドユーザーにおけるスパムメールの影響
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エンドユーザーがスパムメールの処理に費やす時間
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関連情報
■URL
シマンテック
http://www.symantec.com/ja/jp/index.jsp
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・ 7割の従業員がスパムメールで業務に支障~シマンテック調査(2006/06/20)
( 永沢 茂 )
2007/06/28 18:58
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