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Skype日本オフィスの岩田真一ジェネラルマネージャー
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Skypeは24日、有料パッケージサービス「Skype Pro」および「Skype for Windows 3.5」に関する記者説明会を実施した。その中で、8月16日から約2日間にわたり発生した大規模障害についても言及した。
大規模障害は、グリニッジ標準時の8月16日14時頃にSkypeの公式ブログで公表された。ユーザーの多くがログインできない状況に陥り、18日11時になってようやく同社公式ブログで復旧したことが発表された。
Skype日本オフィスの岩田真一ジェネラルマネージャーは、「スーパーノード」のコントロールにバグがあったことを説明した。Skypeのネットワークはユーザーが仮想的なグループに分けられており、その中からマシンスペックの高いものやグローバルIPアドレスを持っているものなど、一定の条件を満たすPCが自動的にスーパーノードに選ばれる(Skypeの全ユーザーのうち約1%)。スーパーノードはグループ内のユーザー情報を管理し、ユーザーはスーパーノードを通じて通話相手を検索する。
「スーパーノードになっているPCがWindows Updateなどで再起動されると、スーパーノードも切れることになる。通常、そのような状況を察知して自動的にスーパーノードの割合を調節する機構が働くが、今回はそこが働かないバグが見つかった」(岩田氏)。加えて、「減ったスーパーノードを追加させようとしたが、再起動後にSkypeのログインリクエストが集中し、その負荷にネットワークが耐えられなかったことも原因」としている。Windows Updateは毎月行なわれているが、今回に限って障害が発生したのは、この2つが重なったためだという。
また岩田氏は、「個人的には徐々に障害が起きていったように思う。最初、チャットができないという報告は聞いていた。その後、ログインができなくなった」と話す。障害が発生した際、Skypeのサイトのトップページやブログで情報提供をしているが、これついても改善したいという。「個人的には日本語での通知も遅いと思っている。英文の通知を翻訳して本社に送り、反映されたと思ったら、また新しい通知が出ている。こういったプロセスも改善したい」とした。
● 新機能を使った映画のプロモーションも検討
Skype Proについは、Skype To Goや各種有料コンテンツの割引などについて説明した。岩田氏は、「Skype Proのポイントは、定額制と同義ではなくプレミアムサービスであるということ、ヘビーユーザー向けに便利な機能をいち早く提供する枠組みであること、サードパーティーのアプリケーション提供者はSkype Proのユーザーに対してプロモーションできる枠組みであること」と述べた。
Skype for Windows 3.5については、動画をムードに追加できる機能やビデオ通話時に静止画を撮影できる機能、通話転送機能、自動リダイヤル機能を説明した。「動画を追加できる機能では、今後、映画のプロモーションに活用できないかと思っている。Skypeはバイラルなメディアなので、そこに期待している。また、静止画キャプチャ機能では、APIを利用して、定期的に撮影することも可能」という。岩田氏は、「Skypeは人との交流をより楽しくすることがミッション」だと話す。「Skypeで話していたら普通の電話よりも楽しかった。他のチャットよりも面白かったと感じてもらいたい」と述べた。
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Skype Proの要点
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Skype Proのパッケージ内容
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ムードに追加する動画の選択画面
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ムードに動画を追加した状態
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着信転送と通話転送の違い
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Skypeの登録ユーザー数。日本では月30万ユーザーの伸び、年末に800万目指す
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関連情報
■URL
Skype日本語ブログの該当記事
http://share.skype.com/sites/ja/2007/08/20/what_happened_on_aug_16.html
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( 野津 誠 )
2007/08/24 18:06
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