米Googleは6日、書籍の内容を検索できる「Google ブック検索」に複数の重要な機能を追加したと発表した。これらの新機能はすでに日本語化もなされている。
● 自分の図書館を作成できる「マイ ライブラリ」機能
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「マイ ライブラリ」トップ画面
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1つ目の新機能は、Googleアカウントの中に自分の図書館を作れるサービス「マイ ライブラリ」だ。例えば、学生が論文執筆のために参考図書を集めている場合、そのすべての書籍をマイ ライブラリに登録しておけば、参考図書を対象に全文検索を行なうことができ、非常に便利だ。また、自分の蔵書をマイ ライブラリに登録しておくことで、それらの書籍の中に何が書いてあったのかや、「ハワイに旅行に行く」「八宝菜を作る」など、自分が持っている書籍の中にある情報も簡単に調べられる。自分の蔵書全体を対象に全文検索を行なうという、通常の世界では不可能なことが行なえるようになる。
マイ ライブラリは、Googleアカウントを利用していればGoogle ブック検索の画面右上メニューに表示される。また、Google ブック検索の検索結果には、「マイ ライブラリに追加」というリンクが表示されるので、そこから目的の書籍をマイ ライブラリに追加できる。
マイ ライブラリを作る時には、書籍にラベルを付けて整理に役立てたり、書評を書いたり、書籍をレーティングすることもできる。また、自分が作ったライブラリを他の人と共有したい場合、リンクをメールで友人に送信したり、RSSフィードを作って友人と共有し、新しい蔵書が加わった時に通知することもできる。
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「マイ ライブラリ」への一括インポート画面
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書評の入力画面
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● 著作権切れ書籍の引用やブログへの貼り付けが可能に
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書籍の引用画面
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「人気のある引用」の例
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2つ目の新機能は、検索と密接な関係がある。これは、1つの書籍の中で、他の書籍で多く引用された引用句を一覧できる機能だ。書籍の「概要」ページ中の「人気のある引用」項目で見ることができる。この機能を利用することで、歴史的に1つの引用句が他の書籍の中でどのように引用されてきたかを容易に発見でき、書籍同士や歴史とのつながりを見出すことができる。
3つ目の新機能は、書籍の一部を切り取って引用したり、ブログへ投稿できる機能だ。これは、著作権が切れて全ページを見られるようになった書籍のみが対象となっている。このような書籍の場合、画面上の青いツールバーにクリップアイコンが表示される。このアイコンをクリックし、引用したい文章を選択するとメニューが現われて、選択した文章を画像あるいはテキストとして、ブログサービスの「Blogger」に投稿するか、「Google ノートブック」に記録するか、あるいはどこか別の場所に貼り付けるために利用できるURLが表示される。書籍の一部分を引用することは、これまで入力作業など非常に手間のかかることだったため、著作権が切れた書籍のみが対象であるとはいえ、非常に興味深い機能と言えそうだ。
4つ目の新機能はGoogle ブック検索の改良で、検索内容に関連したカテゴリーへのリンクを表示してくれるというものだ。例えば「programming study」と検索した場合、プログラミングの学習にはコンピュータだけでなく、数学や効率的な教育方法といった分野も関係してくる。そのため、一部の書籍の下に「Mathematics」「Education」など関連するカテゴリーリンクが表示され、そこから自分の検索の幅を広げていくことができるようになった。
書籍の中にある情報は物理的なメディアに束縛されるため、整理したり共有することが難しい場合が多かったが、Googleによってデジタル空間に解放された。また、これまで一部の傑出した文学者にしか理解できなかったような引用句の歴史的な展開などが、一般人でも興味さえあれば調べられるようになり、かつブログなどの身近なメディアで利用できるようになるという非常に興味深いサービスと言えそうだ。
関連情報
■URL
Google ブック検索
http://books.google.co.jp/
ニュースリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/annc/booksearchlibrary.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/09/07 14:20
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