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ワンクリック不正請求の相談件数の推移(IPAの発表資料から転載)
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表示される請求書の例(IPAの発表資料から転載)
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情報処理推進機構(IPA)は2日、10月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をとりまとめた。IPAに寄せられた「ワンクリック不正請求」に関する相談が369件に上り、8月の330件を超えて過去最高を記録した。
IPAによると、相談の中でも特に多いのが、請求書が表示されて消えない事例。これはウイルス感染によるもので、アダルトサイトなどの危険なサイト内を安易にクリックし続けるという、ユーザーの興味本位による操作が原因だと指摘している。
そこでIPAでは、請求書を表示するウイルスに感染するまでの典型例を紹介。例えば、無料動画の再生ボタンをクリックしても、動画が再生されず、「ファイルのダウンロード - セキュリティの警告」画面が表示された場合には先に進まないよう求めている。また、上記の警告画面で「保存」ボタンなどをクリックしていったんPCに保存したファイルを実行しようとする際も、セキュリティの警告画面が表示されることを示し、ファイルの発行元が「不明な発行者」の場合は実行しないよう呼びかけている。
さらに、これらの警告を無視して実行すると、年齢確認や利用規約の確認画面が表示され、「はい」「OK」ボタンなどをクリックして先に進むと、最終的にウイルスに感染して請求書の表示が消えなくなるという。
IPAに寄せられる相談の中には、「画面を見ただけで、勝手に表示された」「軽い気持ちで閲覧しただけで、何もしていない」という人がいるという。しかし、ウイルスに感染するまでには自身が数回クリック操作を行なっていると指摘。IPAでは今月の標語として、「『安易なクリックが危険を招く!!』─好奇心だけで先に進むと、危険が待っている!?─」と呼びかけている。
なお、このようなワンクリック不正請求の被害に遭わないためには、アダルトサイトに行かないことが最大の対策だとしているが、最近はペットの写真や芸能人の情報を見ていてアダルトサイトに誘導されたという報告も多数寄せられているという。このような場合でも、悪意のあるサイトが存在していることを認識し、好奇心や興味本位でボタンなどをクリックしないよう呼びかけている。
10月はこのほか、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が16件、Winnyに関する相談が11件が寄せられるなど、相談件数は合計1,128件だった。
ウイルスの届出状況では、検出数が約50万個で、9月の約44万個から15.2%増加した。最も多かったのは「W32/Netsky」の約44万個で、全体の87.7%を占めている。不正アクセスは、届出件数は10件で、そのうち被害があったのは9件。被害届出の内訳は、侵入が3件、DoS攻撃が1件、アドレス詐称が2件など。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2007/11outline.html
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( 永沢 茂 )
2007/11/02 17:02
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