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「アリババ+ヤフーでアジアNo.1ネット企業を目指す」と孫社長

ソフトバンクが中間決算を発表

 ソフトバンクは6日、2008年3月期の連結中間決算(2007年4月1日~9月30日)を発表した。売上高が1兆3,647億円4,500万円(前年同期比21.8%増)、営業利益が1,677億円4,600万円(同49.0%増)、経常利益が1,111億円6,500万円(同77.3%増)、当期純利益が464億円6,200万円(同221.8%増)となった。移動体通信事業において携帯電話の契約数が順調に増加したことにより、売上高が増加。また、当中間期から移動体通信事業の業績が6カ月分反映されている。


子会社のアリババが香港で上場、時価総額は2.9兆円

 同日行なわれた決算説明会でソフトバンクの孫正義代表取締役社長は最初に、同社の持分法適用関連会社であるAlibaba Group Holdings Limitedの子会社Alibaba.com Limitedが香港証券取引所に新規上場したことを述べた。公募価格は1兆円だったが、最終的な時価総額は2.9兆円となった。

 「アリババグループのBtoBサービスだけで上場を果たした。ソフトバンクが中国において展開していたインターネット事業が中長期で実ってきた」と説明。「アリババ+ヤフーでアジアのナンバー1ネット企業を目指す」とし、共同事業でアリババジャパンを設立する予定であることも明らかにした。

 また、同じアリババグループであるオークションサービスの「タオバオ」や、オンライン決済サービスの「アリペイ」なども、未公開企業ではあるが「“潜在能力”は高い」と説明。「アリババも含め、サービスのほどんどは無料でユーザーに提供している。これらに課金ユーザーを増やせば、利益はさらに増える」とした。

 タオバオに関しては、「ヤフオクの10倍の出品数」とのことで、ソフトバンクが参画して以降、それまで中国においてオークションサイトのシェアを占めていた「eBey」も超えたという。「タオバオの成功でアリババやアリペイも伸び、グループ内での相乗効果が生まれている」とのことだ。さらに、「アリペイは中国4大銀行と提携をしており、これは例のないこと」と述べた。


半期純増契約数 半期営業利益前年同期比増減率 半期のセグメント別売上高

ソフトバンクはあくまでネット企業

 ソフトバンクの携帯電話事業については、純増シェアが5カ月連続1位になったことをアピール。3Gの契約者は1,000万人を突破し、2Gからの移行が進んでいることを説明した。「基地局拡充により“つながる”満足度も高くなった。割賦販売方式は順調に伸び、800万件を突破。また、契約者の90%以上はホワイトプランであり、シンプルなメニューが支持されている」と述べた。

 ホワイトプランを利用して携帯電話をいわゆる“トランシーバー”のように使うユーザーがいると利益にならないのではとの質問に対して孫社長は、「そういった使い方は当初懸念していたが、実はトランシーバーのように使うユーザーが一番良い」と話す。「2台目として利用しているユーザーは一番通話しているし、最終的には安い方を残す。将棋に例えると“歩”であり、いずれは“金”になる」。

 Googleが携帯電話向けプラットフォームを発表したことについては、「業界内では既に話が出ていたので知っていた。Googleの携帯電話用OSはオープンソースのLinuxをベースにしており、開発したOSもオープンソースとして提供される。主要キャリアに納品している端末メーカーはほとんど同じであり、端末メーカーがどこのOSを選ぶのかも各社それぞれ」と説明。「ユーザーは端末がどのOSで動いているのかは知らないし、それよりもOSの上に乗っているアプリやサービスが大事」とした。

 また孫社長は、「ソフトバンクは戦略的インターネット企業集団である」と熱弁。「ナンバー3の携帯電話企業ではなく、アジアでナンバー1のネット企業が携帯電話を始めたと思ってほしい。ではなぜ携帯電話事業を始めたのか。それは今後、携帯電話が通話目的の“ボイスマシン”から、データ通信目的の“インターネットマシン”になると考えているため」とした。

 このほか、モバイルWiMAXについては、「他社との決定的な違いは、我々はオープンな形で提供していく方針であること」だと説明。「NTTドコモやauは800MHz帯を多く持っているが、我々はこれを持っていないためにコストをかけて基地局を増やすなどのリスクを背負ってきた。今回、割り当てが不利なものになれば残念だ。開かれた形で審査されることを願う」とした。


主要3キャリアの純増シェア 2Gと3Gの累計契約数 ARPUの構成比

アリババ上場。グループの主要サービス アジアのインターネット関連事業でNo.1 インターネット関連事業のあらゆる分野でNo.1を目指す

関連情報

URL
  中間決算短信(連結、PDF)
  http://www.softbank.co.jp/irlibrary/results/pdf/softbank_results_2008q2_001.pdf
  決算説明会(ソフトバンク)
  http://www.softbank.co.jp/presentation/results/index.html

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( 野津 誠 )
2007/11/06 21:13

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