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「Windows Live」正式版、日本でも公式スタート


 マイクロソフトは、「Windows Live」日本語正式版を開始した。正式版となった主なソフトは、メールソフト「Windows Live メール」、インスタントメッセンジャー「Windows Live Messenger 2008」、画像管理ソフト「Windows Live フォトギャラリー」、ブログ記事作成ソフト「Windows Live Writer」、フィルタリングソフト「Windows Live OneCare ファミリーセーフティ」。


Windowsの次世代標準メールソフトが正式版へ移行

 Windows Live メールは、「Outlook Express」およびWindows Vistaの「Windows Mail」の後継となるメールクライアントソフト。Windows Vista/XPに対応する。3ペイン表示を採用し、複数のWebメール・ISPメールアカウントが管理できるのが特徴。フィッシング詐欺メールや迷惑メールからの保護機能も搭載し、疑わしいメールと安全なメールを色別に表示する。

 また、写真付きメール機能を用意。添付した写真を本文欄で確認できるだけでなく、基本的な補正、回転、サイズ調整、境界線の付加といった加工も行なえる。なお、正式版ではユーザーインターフェイスが若干変更されたほか、写真付きメールで利用可能なフレーム数がベータ版の2~3種類から8種類に増えた。このほか、Windows Liveの他のソフトとの連携も可能。Windows Live Messengerの開始やアドレス帳の共有、オンラインステータスの確認・変更が行なえる。Windows Live Writerと連携することで、ブログの更新も可能だ。

 Windows Live メールは既に正式版となっているWebメールサービス「Windows Live Hotmail」のアカウントを登録できる。「従来のHotmailからWindows Live Hotmailになったことで、受信容量が大幅に増えた。無償版で5GB、有償版で10GBある。送信容量については各社ともあまり表に出さないが、無償版で10MB、有償版で20MBまで対応している」(マイクロソフトWindows Liveチームの泉宏和プロダクトマネージャー)。

 セキュリティ機能には「SmartScreen Technology」を使用する。これは、Windows Live Hotmailのフィルタリング機能に蓄積された迷惑メールのデータをもとに、各サーバーやクライアント用の迷惑メールフィルタリングエンジンへパターンファイルとしてフィードバックする技術だ。

 迷惑メール対策では、SmartScreen Technologyにより受信メールを判定、メールのセキュリティレベルをメッセージ上部のバーに「赤」「黄」の色別で表示する。赤はフィッシング詐欺などの可能性があるメール。この場合、メールの内容はローカルに読み込まれていない。黄は添付ファイルや画像、リンクが入っているメール。この場合、問題の部分を非表示にする。また、プレビュー機能、ドラッグ&ドロップ、右クリックなど、クライアントソフトと同様の操作を実現したという。

 Hotmailアカウントで利用できるソーシャルカレンダーサービス「Windows Live カレンダー」ベータ版も6日に公開された。「コンセンプトはスケジュール管理を簡単に素早く行ない、どこからでも管理できること」だという。また、イベント計画サービス「Windows Live イベント」と連携した利用方法なども可能になる。


Windows Live メール 写真付きメール機能 Windows Live Hotmailのセキュリティレベル表示

Windows Live MessengerはVista風のデザインに変更

 Windows Live Messenger 8.5ベータ版は、バージョン2008として正式版に移行した。主にユーザーインターフェイスが変更されており、Windows Vista風の黒く光沢のあるデザインに変更できる。対応OSはWindows Vista/XP。

 マイクロソフトWindows Liveチームのホ・チャン氏は、マイクロソフトが提供するインスタントメッセンジャーの歴史を振り返り、「1999年から日本での提供を開始し、バージョンアップを重ねてきた。ネットの進化、ハードウェアの進化に伴い、ユーザー環境が整いコミュニケーションも進化する。それにあわせて、インスタントメッセンジャーの進化も続く」と話す。

 「これまでは、メールが来たらHotmailにつながっていたが、ソフトウェア+サービスということで、Windows Live メールともつながるようになった。以前は、MSNやWindows Liveの中でメッセンジャーが唯一のソフトだったが、これからはフォトギャラリーなど、他のソフトとも連携が強くなっていくと思う。」(チャン氏)

 このほか、Windows Live Messengerから利用できるサービスとして「Windows Live エージェント」を開始した。これは、対話ロボットがコンテンツをメッセンジャー経由で提供するものだ。エージェントをメンバーリストに追加して、会話をすることで、情報が得られる。エージェントは、Windows Live Messengerの使い方を教えてくれる「まいこ」と、百科事典ソフトのWeb版「エンカルタ総合大百科」を用意する。


Messengerの歴史 エージェント

複雑になりがちな多くのサービスをシームレスに連携

 Windows Live フォトギャラリーは、Windows Vista標準搭載の画像管理ソフト「Windows フォトギャラリー」の後継バージョン。XPにも対応する。オンラインサービスとの連携を強化しており、写真共有サイト「Flickr」へ投稿することも可能だ。オンラインプリントの発注も行なえる。

 Windows Live OneCare ファミリーセーフティも正式版となった。対応OSはWindows Vista/XP。子供がインターネットを利用する上で、有害サイトのブロックをはじめ、コミュニケーションツールの利用および連絡相手を親が確認し制限できる機能「コンタクトマネージメント」を備える。コンテンツフィルタリングでは、13カテゴリー・5段階年齢制限レベルを用意。加えて、子供から親にアクセス許可申請ができる機能「キッズリクエストライン」も用意する。

 このほか、Windows Liveの主要なソフトを一括ダウンロード・インストールできる「Windows Live おすすめパック」も提供する。インストール後はシングルサインインが可能。さらに、Windows Live各サービスの利用状況が確認できる「Windows Live home」も用意する。

 マイクロソフトのオンラインサービスグループ プロダクトマネージメントグループWindows Liveチームの小野田哲也ディレクターは、Windows Liveサービスの提供コンセプトについて、「テクノロジーの急速な進歩は我々にポジティブな影響を与える一方、逆に複雑かつ不便になり、選択肢が増えて迷うこともある」と述べ、「これらの課題を解決できる企業がマイクロソフトであり、対応するソリューションがソフトウェア+サービスである」と語る。また、「ソフトウェア+サービスを具現化する考え方が『Windows Vista+Windows Live』」だとし、「シームレスなユーザー環境」「オールインワン・シングルサインオン」「パートナーシップ」を特徴として挙げた。


フォトギャラリーの機能概要 Windows Live フォトギャラリー オンラインプリントの発注

フォトギャラリーのパノラマ写真作成機能 Windows Live OneCare ファミリーセーフティの機能概要 Windows Live おすすめパックの機能概要

おすすめパックのインストール画面 Windows Liveの主要サービス Windows Liveソリューションの概要

関連情報

URL
  Windows Live サービス
  http://get.live.com/WL/all

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( 野津 誠 )
2007/11/08 13:41

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