米Googleを中心とした携帯プラットフォーム開発団体The Open Handset Allianceは12日、携帯プラットフォーム「Android」のSDK(ソフトウェア開発キット)をサイト上で公開した。
公開されたAndroid SDKは開発者向けのアーリーリリースで、開発デバッグツール、ライブラリ、デバイスエミュレータ、ドキュメント、サンプルプロジェクト、チュートリアル、FAQなどが含まれている。公開された情報によると、Androidは独自のバイトコードを使用したバーチャルマシンを採用しており、WebブラウザにはWebKitを採用しているようだ。
Android SDKの対応OSは、Windows Vista/XP、Mac OS X 10.4.8以降、Linux。このほかに、Eclipse 3.2、Java Development Tools、Android SDKプラグイン、Javac 1.5あるいは1.6、Apache Ant、Python 2.2以降が必要となる。
今回の発表に合わせて、Googleではプロトタイプ携帯電話で動作しているAndroidのビデオをYouTubeで公開。スムースなユーザーインターフェイスや、「DOOM」などのゲームや3Dの地球がぐるぐる回る高機能な3Dグラフィックス、タッチパネルを利用したAndroid携帯電話のプロトタイプなどを見ることができる。
また、米GoogleはAndroid向けのアプリケーション開発コンテスト「Android Developer Challenge」の開催を発表した。コンテストには総額1,000万ドルの賞金が提供される。
コンテストはまず「Challenge I」として、2008年1月2日から3月3日まで募集を行ない、その中から有望な50アプリケーションを選出する。この50プロジェクトに対して、さらなる開発を進めるための資金としてそれぞれ2万5,000ドルを提供する。さらに、2008年5月1日から選考が開始される第2段階で、27万5,000ドルが授与される10種類の賞と、10万ドルが授与されるさらに10種類の賞に選ばれる機会が開かれる。
そして、2008年後半にAndroidを採用した携帯電話がリリースされた後に、コンテスト「Challenge II」を開始するとしている。
Googleではこのコンテスト向けのアプリケーションの例として、ソーシャルネットワーキング、メディアの編集や共有のためのアプリケーション、メールやインスタントメッセージやカレンダーなどのコラボレーションツール、ゲーム、ニュースや情報を提供するツール、伝統的なユーザーインターフェイスの見直し、マッシュアップ機能の活用、ロケーションサービスの活用、人道主義的な活動への応用、貧困地域に暮らす人のためのアプリケーションなどを挙げ、開発を促している。
開発されたアプリケーションは、Googleがコンテストで評価するためのライセンスと、Androidのプロモーションのために利用する権利を留保するほかは、すべて開発者が知的所有権やその他の権利を保有することができる。またアプリケーションはどの言語で作成してもよいが、最低限英語が使用できるようになっている必要があるという。
関連情報
■URL
The Open Handset Allianceによるプレスリリース(英文)
http://www.openhandsetalliance.com/press_111207.html
米Googleによるプレスリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/20071112_android_challenge.html
Android SDKのダウンロードページ(英文)
http://code.google.com/android/download.html
GoogleがYouTubeに投稿したAndroidのデモ(英語)
http://www.youtube.com/watch?v=1FJHYqE0RDg
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・ Googleが携帯電話向けプラットフォーム「Android」を発表(2007/11/06)
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/11/13 11:57
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