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ファイル交換ソフトを利用して情報漏洩させるウイルスの多くは、「お宝画像」「個人情報」など興味を引くような単語を含むファイル名で出回っている
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情報処理推進機構(IPA)は4日、「Winny」や「Share」などのファイル交換ソフトを介した情報漏洩に関する相談が相当数寄せられているとして、注意を呼びかけた。IPAによれば、11月の相談件数は合計911件。うち、Winnyに関する相談は31件で、10月の11件から約3倍に増えた。このほか、ワンクリック不正請求に関する相談が264件(10月は369件)、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が14件(同16件)など。
IPAでは、ファイル交換ソフトを利用して情報漏洩させるウイルスの多くは、「お宝画像」「個人情報」など興味を引くような単語を含むファイル名で出回っていると指摘。ウイルスに感染してしまうと、ユーザーが公開したくないファイルがファイル交換ソフトのネットワーク上に流出するだけでなく、情報漏洩させるウイルスも広がっていくとし、「興味本位で利用することは絶対慎むべき」と注意喚起した。
ウイルス感染への予防策としては、OSや各種アプリケーションのアップデートを実施するほか、ウイルス対策ソフトの利用と定期的なパターンファイルの更新を推奨。ただし、ウイルス対策ソフトでスキャンしても、「ウイルスが検知されなかったから安全」とは限らないとしている。
● 怪しいファイルの見分け方
また、ウイルスには、一見するとアイコンはフォルダに見えるが、実はウイルスであるというように、ファイルの見た目を偽装している場合があると指摘。この偽装を見抜くためには、ファイルの拡張子を確認する必要があるとアドバイスしている。なお、Windowsの初期設定ではファイルの拡張子が表示されないため、拡張子を表示するように変更する必要がある。
拡張子を表示するためには、Windows XPの場合、マイコンピュータもしくはエクスプローラのメニューバーから[ツール]―[フォルダオプション]―[表示]タブを選択し、[登録されている拡張子は表示しない]のチェックを外す。Windows Vistaではスタートボタンから[コントロールパネル]―[デスクトップのカスタマイズ]―[フォルダオプション]―[表示]タブを選択し、[登録されている拡張子は表示しない]のチェックを外す。
怪しいファイルの見分け方としてはこのほか、ファイルのプロパティを参照することも有効だという。IPAでは、「ファイルの種類」が「アプリケーション」となっていれば、文書ファイルなどを装っていても、ウイルスに感染させるための実行形式ファイルであると判断できるとしている。
なお、11月におけるウイルスの届出状況では、検出数が約60万個と、10月の50万個から18.5%の増加となった。検出数の1位は「W32/Netsky」の約51万個で、全体の8割以上を占めた。また、不正アクセスの届出件数は15件で、うち被害にあったのは11件。被害届出の内訳は、侵入が6件、DoS攻撃が1件、アドレス詐称が1件など。
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ファイルの偽装を見抜くためには、ファイルの拡張子を確認することが有効
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ファイルのプロパティを参照することで、怪しいファイルを見分けることも可能だという
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2007/12outline.html
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・ 「安易なクリックは危険」IPAが不正請求に注意呼びかけ(2007/11/02)
( 増田 覚 )
2007/12/04 20:29
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