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マイクロソフト、「Vista SP1」「Office 2007 SP1」の説明会を開催


 マイクロソフトは7日、2008年第1四半期にリリースが予定されているWindows Vista Service Pack 1(SP1)の企業向け強化機能の概要と、Office 2007 Service Pack 1(SP1)の概要に関する説明会を開催した。


Vista SP1で新たに対応する「exFAT」などを紹介

マイクロソフトWindows本部プロダクトマネジメント部の中川哲部長
 Windows Vista SP1は、現在MSDNおよびTechNetのユーザー向けにリリース候補版(RC)が公開されており、来週にはダウンロードサイトで一般向けにもRCが公開される予定となっている。

 マイクロソフトWindows本部プロダクトマネジメント部の中川哲部長は、「Windows Vistaでは随時更新プログラムを提供しており、SP1の適用前から安定した動作環境を提供する」と説明。また、「Windows Vista SP1は互換性を重視して開発が進められており、適用することで動作しなくなるソフトなどがなるべく少なくなるように務めている」としたものの、一方ではSP1のリリース時期も迫っていることから、「企業の担当者などに対しては、SP1のRC版による評価をお願いしたい」とコメントした。

 その上で、Windows Vista SP1で提供される機能については、特に企業向けの機能として「exFATの対応」「RDPの通信効率の向上」「スマートカードの認証方法の選択肢」「BitLocker機能の向上」の4点を挙げ、それぞれについて説明を行なった。

 Windows Vista SP1で新たに対応するファイルシステム「exFAT」では、1ファイルあたりの最大サイズを向上。FAT16では1ファイルあたり2GB、FAT32では1ファイルあたり4GBまでという制限があったのに対して、exFATでは1ファイルあたり16エクサバイト(約172億GB)までと最大サイズを大幅に拡大。さらに、ファイルの書き込み速度や削除速度の向上を図っている。

 リモートデスクトップに用いられるRDP(Remoto Desktop Protocol)については、画像の圧縮率を高めて送信することにより、通信効率を向上。RDPの通信量で、25%~60%の減少が期待できるとしている。Windows Vista SP1を適用した場合でも、従来のリモートデスクトップとの通信は可能だが、圧縮を使用した通信はホスト側・クライアント側の双方が圧縮に対応している必要がある。

 スマートカードの認証方法については、従来はスマートカードと暗証番号(PIN)を組み合わせる方法のみをサポートしていたが、暗証番号の代わりに指紋認証など他の方式もサポートする。

 ドライブの暗号化機能を行なうBitLocker機能については、従来はブートボリュームのみが暗号化に対応していたのに対して、Windows Vista SP1を適用することで、ブートボリューム以外のドライブの暗号化にも対応する。また、暗号化を解く鍵となるUSBストレージによる認証についても、指紋認証機能やPINなど他の認証機能との連携に対応する。

 中川氏は、Windows Vista SP1では企業向けにも便利な機能強化を行なうため、できればSP1を適用してほしいと考えているが、適用を見送りたい企業に対してはWindows UpdateなどでSP1が自動適用されないためのブロックツールも提供すると説明。企業の担当者に対しては、SP1の正式版がリリースされる前に、RC版での評価をお願いしたいと語った。


新フォーマットの「exFAT」では、ファイルの最大サイズの拡大や、書き込み速度や削除速度を向上する リモートデスクトップのプロトコルを改善、圧縮により通信量が減少

スマートカードの認証では指紋認証などの方式に対応 ドライブ暗号化のBitLocker機能では、ブートドライブ以外の暗号化にも対応

Office 2007 SP1については「近日」公開

Office 2007 SP1も近日リリース予定
 Office 2007 SP1については、マイクロソフトのインフォメーションワーカービジネス本部でシニアプロダクトマネージャを務める飯島圭一氏が説明。Office 2007 SP1は、Office 2007の発売後に公開されたセキュリティアップデートやホットフィックス、新たに提供するホットフィックスをまとめたもので、安定性の向上やパフォーマンスの向上、セキュリティの強化をまとめて行なうものだとした。

 Office 2007 SP1には、Office 2007に付属する入力システム「Office 2007 IME」に関する修正プログラムも含まれる。Office 2007 IMEについては、辞書の破損により漢字変換ができなくなる問題や、PCの起動直後に変換に時間がかかる問題などが知られている。これらの問題については、既に修正プログラムがダウンロード可能となっているが、この修正プログラムについてもOffice 2007 SP1で提供される。

 このほか、Office 2007 SP1では多くの修正を行なうとしたものの、リリース日程については「近日」という説明のみで具体的なスケジュールについては公開されず、近日中に改めて説明を行なうとした。


Office IME 2007で辞書の破損により変換ができなくなる問題に対応 Office IME 2007で起動直後に変換に時間がかかる問題にも対応する

関連情報

URL
  マイクロソフト
  http://www.microsoft.com/japan/
  Office 2007 IMEの修正モジュール
  http://www.microsoft.com/japan/office/2007/ime/module.mspx

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( 三柳英樹 )
2007/12/07 16:39

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