18日に開催された「私的録音録画小委員会」の2007年第15回会合で文化庁が、違法サイトからのダウンロードや違法複製物からの録音録画を違法とする見解を示したことを受け、インターネット先進ユーザーの会(MIAU)は19日、パブリックコメントの意見が反映されていないとし、「承服することは到底できない」などとするメッセージをサイト上に公開した。
MIAUは「いくつかの報道によれば」と前置きし、私的録音録画小委員会の議論をまとめた中間整理について募集したパブリックコメントでは、「相当多数が(違法サイトからのダウンロード違法化に)反対を表明している」と指摘。それにもかかわらず、多数意見への具体的な配慮措置をせずに「違法サイトからのダウンロード違法化」を求める少数意見を採用することは合理的根拠に乏しいとし、文化庁の見解を非難した。
なお、ダウンロード違法化にあたって文化庁では、インターネット上の意見も踏まえ、利用者の不利益にならないように制度設計するとしている。具体的措置としては、法改正がなされた場合の周知徹底や適法サイトを示すマークの普及を挙げているが、「これらの大半はパブリックコメントの『中間整理』の段階で既に提示されていたもの」と指摘。合法サイトに関する基準やその策定プロセスについても、現時点ではユーザーへの配慮が具体的に見られた形跡はないと批判した。
こうしたことからMIAUでは、「私的録音録画小委員会の意見に囚われることなく、『違法サイトのダウンロード違法化』に反対の働きかけを引き続き積極的に推進していく所存」としている。さらに、私的録音録画小委員会で決定する意見については、「あくまで文化庁としての意見表明に過ぎない」と指摘。最後までインターネットユーザーの適正な自由と利益の確保のために全力を尽くすとして、メッセージを締めくくっている。
関連情報
■URL
私的録音録画小委員会の第15回会合に関する緊急メッセージ
http://miau.jp/1198033200.phtml
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( 増田 覚 )
2007/12/19 21:31
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