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25日、都内で開かれた記者会見で。(向かって左から)角川デジックス代表取締役社長の福田正氏、米Googleコンテント担当副社長のデービッド・ユン氏、角川グループホールディングス代表取締役会長兼CEOの角川歴彦氏、米Google副社長兼グーグル代表取締役社長の村上憲郎氏
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角川グループホールディングスは25日、「YouTube」における新規事業を開始すると発表した。角川グループの公式ページをYouTubeに開設するほか、クリエイター発掘のためのキャンペーンも共同で展開する。また、動画識別技術や広告配信を活用したメディア・広告事業も行なう。
角川グループでは2007年から、角川デジックスを中心に、Googleの動画識別技術の実証実験に参加してきたが、一定の成果を得たとして、YouTubeにおける新規事業を開始することにしたという。
角川グループホールディングスでは、「YouTubeを有益なWeb 2.0型CGMと位置づけ、違法動画の排除を一方的に行なうのではなく、現在の優れた技術をもって著作権に配慮しながら連携。新たなクリエイターの創出や日本の知財を育てていく場とすることに寄与していきたい」とコメントしている。
【追記 20:25】
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2007年2月、YouTube創業者のチャド・ハーレー氏とスティーブ・チェン氏が角川グループホールディングスを訪問した際の様子
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YouTubeに開設する角川のブランドチャンネルは、2月上旬にもオープンしたいとしており、「アニメ・チャンネル」や「ムービー・チャンネル」などを予定している。そこで公開する動画は、プロモーション動画の場合もあれば、フル映像も考えられるという。権利者と話し合いながら、できるだけ早い時期に開始するとしてる。角川デジックス代表取締役社長の福田正氏は、「特に日本のアニメ作品を世界に売っていく。日本の知財を世界で1人でもより多くの人に見てもらいたい」と語った。
なお、25日に行なわれた記者会見のプレゼンテーションでは、「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」などが表示されているアニメ・チャンネルのイメージ画像が紹介されたが、これらのタイトルを配信するかどうかの決定はまだ出ていないという。
ブランドチャンネルの中では、冠スポンサーを募り、新たな才能を発掘するための投稿キャンペーンも展開する。「ゆくゆくは、この中からアカデミー賞をとる監督が出てきたり、スターが出てくればいい。GoogleとYouTubeを1つのプラットフォーム、メディアパートナーとしてとらえ、その中でさまざまなクロスメディア展開をしていければと思っている」(福田氏)。
記者会見には、角川グループホールディングス代表取締役会長兼CEOの角川歴彦氏、米Google副社長兼グーグル代表取締役社長の村上憲郎氏も出席して挨拶した。また、YouTube創業者のチャド・ハーレー氏とスティーブ・チェン氏が2007年2月、日本の権利者団体らと話し合いのために来日した際に角川グループホールディングスに招待された時の写真も紹介された。村上氏によると、「前向きに解決していきたい」という角川氏の言葉を受けて協力体制を推進していきたという。
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「アニメ・チャンネル」のイメージ
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投稿キャンペーンのイメージ
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角川グループホールディングス代表取締役会長兼CEOの角川歴彦氏
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米Google副社長兼グーグル代表取締役社長の村上憲郎氏
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関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.kadokawa-hd.co.jp/topics/20080125.pdf
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( 永沢 茂 )
2008/01/25 11:24
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