総務省の情報通信審議会は29日、「次世代ネットワークに係る接続ルールの在り方」についての答申案を公表し、意見募集を開始した。答申案では、他事業者への開放が義務付けられる「第一種指定電気通信設備」について、従来指定されていたフレッツ網に加えて、ひかり電話網と次世代ネットワーク(NGN)網を第一種指定電気通信設備として指定することが適当であるとしている。
第一種指定電気通信設備制度は、過半数の回線シェアを持つ通信事業者に対して、他事業者との接続ルールや接続料金などを定めることを義務付ける制度。NTT東西では、柔軟なネットワーク構築や新サービス開発阻害などの観点から、基本的に事業者の自由な事業展開に委ねるべきといった理由により、NGNを第一種指定電気通信設備の対象から外すべきと主張。一方で他の事業者は、NGNの利用は事業展開上不可欠であるなどとして、第一種指定電気通信設備に指定すべきと主張していた。
答申案では、NGNはボトルネック性を有するアクセス回線と一体化して設置される設備であり、他の通信事業者の事業展開上不可欠で、利用者利便の確保の観点からも、第一種指定電気通信設備に指定することが必要であるとしている。
また、地域IP網については、2001年3月から第一種指定電気通信設備に指定されており、将来的にはNGNに移行することが想定されているが、その時期は明確に定まっている状況にはないと指摘。当面は地域IP網とNGNが並存する状況が継続することになるとして、引き続き地域IP網についても第一種電気通信設備に指定することが当面必要と考えられるとしている。
さらに、NTT東西のひかり電話網についても、2004年度の段階ではボトルネック性が無いとして第一種指定電気通信設備の対象外となっていたが、2007年6月の時点では0AB~J番号電話市場におけるNTT東西のシェアは約75%を占めていると指摘。このような状況の変化などから、ひかり電話網も第一種指定電気通信設備に指定することが必要だとしている。
このほか答申案では、NGNの各機能についてのアンバンドルの要否や、接続料の算定方法などについても検討結果を説明。現在、NTT東西が戸建て向けFTTHサービスにおいて光ファイバを8分岐単位で貸し出しているのに対し、他事業者から1分岐単位での貸し出しを求める要望が出されていた件については、それぞれのメリット・デメリットなどに関する意見を踏まえた上で整理が必要だとして、今後の検討課題となっている。
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■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080129_6.html
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( 三柳英樹 )
2008/01/29 20:28
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