米Yahoo!の取締役会が11日、全会一致でMicrosoftの買収提案を拒否したことに関連して、Yahoo!のJerry Yang CEOがYahoo!の従業員にメールを送信し、同社には4つの主要な資産があると説明した。
Yahoo!の取締役会が買収提案を拒否したのは、Microsoftの提案がYahoo!を「著しく過小評価」しており、Yahoo!とその株主にとって最良の策ではないと判断したためだ。Yahoo!の資産には、グローバルなブランド、大規模でワールドワイドなオーディエンス、広告プラットフォームへの最近の大規模な投資、今後の成長の見通し、フリーキャッシュフロー、売上のポテンシャル、非連結投資が含まれている。
Yang CEOが従業員宛メールの中で挙げた資産の1つ目は、世界的に有名なブランド力だ。Yahoo!は現在、5億人のユーザーを抱えており、世界中のインターネットユーザーの2人に1人がYahoo!を使用していることになる。米国内に限ると、パーソナライズドホームページやメール、音楽、ニュース、スポーツ、ショッピング、旅行分野で第1位であること、さらにユーザーがYahoo!サイトで過ごす時間が他のサイトと比較して1位であること、これは特にマーケティング担当者にとって重要な指標であるとも指摘した。このようなブランド力は、Yahoo!が遂行しているスターティングポイント戦略、つまりユーザーがインターネットを使い始める最初のページをYahoo!にしてもらうために重要な力になると考えている。
2つ目として、Yahoo!のフリーキャッシュフローは、2009年に二桁成長すると見込まれており、この資金によってYahoo!の計画を実際に実行に移すことができるとしている。3つ目として、同社はこれまでサーバーなどのコアコンピュータインフラに重要な投資をしてきており、その結果、大きなスケーラビリティを持つようになったこと、検索アルゴリズムなどのコアテクノロジーへの投資を10倍にまで増やすことも指摘した。Panamaなどのテクノロジーへの投資もこれに含まれる。
そして最後にYang CEOは、こうした物理的な資産に加え、最も重要な資産は「あなたたち」つまりYahoo!の社員であるとの指摘をすることも忘れなかった。
今後、Yahoo!取締役会は「あらゆる戦略的選択肢」を引き続き評価していくとの意向を表明している。また今回の発表により、Yahoo!が雇ったアドバイザーが明らかになった。Goldman, Sachs & Co.、 Lehman Brothers、 Moelis & CompanyがYahoo!のフィナンシャルアドバイザーに、 Skadden、 Arps、 Slate、 Meagher & Flom LLPがYahoo!の法務アドバイザーに、Munger Tolles & Olson LLPはYahoo!社外取締役の法務アドバイザーになっているとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://yhoo.client.shareholder.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=293129
FAQ(英文)
FAQ(英文)
http://yhoo.client.shareholder.com/press/announcement.cfm
米証券取引委員会に提出されたJerry Yang CEOのメール(英文)
http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1011006/000095013408002135/f37927exv99w1.htm
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/02/12 13:02
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