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IE8 Beta 1の英語版、米Microsoftが開発者向けに公開


 IE8 Beta 1は現在、英語版が公開されている。IE7のベータ版の際には日本語環境にインストールすることができなかったが、IE8 Beta 1では、英語のユーザーインターフェイスのまま日本語Windows環境にインストール可能になっている。近いうちにドイツ語版と中国語簡体字版が公開される予定で、日本語版も用意する計画があるという。

 なお、このバージョンはあくまでも開発者向けのベータ版であり、そのほかのユーザーに対しては次のバージョンであるBeta 2まで待ってから試用するよう推奨している。Windows Vista/SP1、Windows XP SP2/SP3、Windows Server 2008、Windows Server 2003 SP2の32bit版/64bit版に対応したバージョンがそれぞれ用意されている。


CSS 2.1の完全サポートを公約、HTML 5もサポート開始

Internet Explorer 8公式サイト
 IE8 Beta 1の注目点として、Web標準規格に準拠するための種々の試みが挙げられる。まず、IE8の最終製品版では、CSS 2.1が完全にサポートされることが公約されている。今回のBeta 1では完全ではないものの、CSS 2.1がサポートされており、製品版に向けて改良されていく予定だ。

 また、HTML 5へのサポートも開始。開発コミュニティからの要望によってスクリプト関連、例えばJScriptパーサー、ガーベジコレクターランタイム、メモリ管理などのパフォーマンスも向上した。この分野のパフォーマンス改良も将来のベータ版で予定されている。

 さらに、W3CのCSS規格そのものに不明確な点が多いために互換性に問題が生じていることが知られていたが、Microsoftではその問題を解決するために700を超えるテストケースをW3C CSSワーキンググループに提供したと発表した。これらテストケースは、CSSワーキンググループが提案するBSDライセンスで公開されている。

 これらの標準規格準拠に関連して、先頃発表されたIE8のスタンダードモードが改めて公開された。IE8 Beta 1は、デフォルトでは標準規格に準拠した「Standards mode」で動作する。古いWebサイトなど、標準規格に準拠していないサイトの場合には、IE5やレガシーブラウザ向けの「Quirks mode」がサポートする。また、IE7互換レンダリングをサポートする「Strict mode」を選択することも可能だ。


Webサービス連携のための新機能やフィッシング防止機能の強化も

 エンドユーザー向けに興味深い2つの新機能も公開された。1つは「Activities」と呼ばれるもので、Webサービスが多用される時代に便利な機能となっている。例えば、住所が書かれているページでその住所を選択し、Activitiesメニューを選ぶと、その場で直接地図サービスによる地図データを表示できる。この際、地図サービスのWebサイトに移動したり、URLをコピー&ペーストする必要がない。

 このようにメニューから直接選択するだけで、Webサービスに対して様々なアクションを起こすことができる。地図サービスを選ぶだけでなく、テキストを選択してそのままブログに投稿したり、写真共有サービスにアップロードするように設定することができる。Microsoftではこの機能を利用するためのフォーマットを「OpenService」フォーマットと名付け、Microsoft Open Specification PromiseとCreative Commons Attribution-Share Alikeライセンスのもとで公開している。

 もう1つの機能は「WebSlices」だ。これは、Webサイトの一部分を購読できるようにするサービスだ。例えば、スポーツの試合の点数が気になる場合には、スポーツサイトのその部分だけを購読できる。これはブラウザの上部に表示させることができ、更新された時にいつでも参照できる。開発者はどのページの部分を購読可能にするかを、簡単なマークアップ言語で指定できる。Microsoftはこの仕様もActivitiesと同様に公開している。

 このほか、フィッシング詐欺などを防ぐ機能が強化された。まず、これまでのフィッシングフィルターに加えて、URL文字列全体を解析し、セキュリティをより強化したセーフティフィルターを利用できる。さらに、自分が表示しているWebページが正当なサイトであることが明確にわかるように、トップレベルドメインが黒のボールドフォントで強調表示されるようになった。このことによってユーザーの注意を喚起し、フィッシング詐欺などに遭う確率を減らすことができる。

 また、IEがハングアップしたり強制終了してしまった時のために、Automatic Crash Recovery機能が搭載された。これによって、異常終了する前のタブなどのセッションを復活させることができるとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2008/mar08/03-05MIX08PR.mspx
  Internet Explorer 8公式サイト(英文)
  http://www.microsoft.com/windows/products/winfamily/ie/ie8/default.mspx
  Internet Explorer 8リリースノート(日本語機械翻訳)
  http://support.microsoft.com/kb/949787
  IE公式ブログの該当記事(英文)
  http://blogs.msdn.com/ie/archive/2008/03/05/internet-explorer-8-beta-1-for-developers-now-available.aspx
  マイクロソフト開発チーム公式ブログの該当記事
  http://www.exconn.net/Blogs/windows/archive/2008/03/06/23639.aspx

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/03/06 12:39

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